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Side R
流星「戸締りしっかりして、カーテンも。
音怖かったらなんか音楽とか聞いてな。」
「…りゅうせいの…歌…爆音で流す…」
流星「…………それはちょっとやめてほしい。」
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泣きながらもボケてくるくらいだから、
まだ少しは余裕あるみたい。
本格的に雷が酷くなる前になんとか仕事を終わらせて
早く彼女のところに行かなければ…。
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流星「…俺ももうすぐ仕事終わる予定だから、
いい子で待ってられるか?」
「………早く…来てね…」
流星「ん、分かった。」
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最後に “…ばいばい” って言ったAの声が、
本当に子供がぐずってるみたいな声で、
……ああ、早く抱きしめてやりてぇなぁ…って。
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電話を切ったら丁度スタッフさんに呼ばれて、
“ちょっと早いですが始めますか” と
そのまま打ち合わせに。
早く終わるなら大歓迎だった。
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流星「…A…?」
もう鍵もお互いに預けているので
いちいち借りたりする必要はなくなっていた。
彼女の家についたのは
電話をかけてから1時間後くらいだったが、
まだ雷は鳴り止んでいなかった。
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ドア開けたらすぐに泣きついてくると思っていたのに、
そこはシン…、としていて。
え、まさか倒れたりしてないよね?って心配になる。
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流星「……ぁ、」
.
いた。
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ベットの上に明らかな膨らみ。
携帯から伸びる白いイヤホンの線が布団の中に繋がっている。
布団を頭まで被って音楽聞いてるせいで
俺が帰ってきたことにまだ気づいていないらしい。
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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年8月2日 17時