外恋慕【 sh × sm 】 (ページ37)

今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:83,445 hit

・ページ37

．

慎太郎にもちゃんと連絡しようとしてくれてたんだね。きっと紫耀は必死になってママを支えてくれたんだろう。紫耀のママまで付き添ってくれてたみたいで、お礼をして交代で帰ってもらった。病室前で深呼吸。私の歩幅に合わせてゆっくりと進み、背中を支えてくれた紫耀の温かい手に包まれた。

「……ママッ、」

ピッピッと機械音が鳴り響く病室。カーテンの向こうに眠っているママに近付いた。先生は過労だって言ってた。私のせいで無理させていたのかもしれない。……ごめんね、ママ。ほんとにごめんなさい。

啜り泣く小さな声が室内に響いた。嗚咽で咳込むと隣に腰掛けた紫耀は何も言わずに、ただただ背中をさすってくれた。眠ったまま起きないママの手を握り、すぐそばに紫耀を感じながら時計の針はてっぺんを過ぎそうだった。

× × × ×

「ありがとね」
「んーん、」
「紫耀も帰って大丈夫だよ」
「お前は大丈夫じゃねえだろ」
「……そうだけど、」
「俺のことはいいから」

ポケットにしまったままの携帯を取り出して画面をつけると、えげつない量の慎太郎からの着信があった。顔が強張っていると「慎太郎？」と紫耀は尋ねる。無言で頷くと「早く電話してやれ」と向こうに歩いて行ってしまった。遠くなる背中を見つめながら発信ボタンを押した。

．