外恋慕【 sh × sm 】 (ページ31)

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・《 sh side 》ページ31

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忘れてほしいわけねえじゃん。
頭ん中、俺でいっぱいになってほしかったよ、ほんとは。

「はぁ……」

玄関先で腰が抜けた。と、同時に一粒涙が零れた。
……なんで泣いてんの、俺。

手元の携帯が揺れる。滲みだした視界から応答ボタンを探す。

着信：マネージャー

　〈 ……もしもし、〉
マ〈あ、紫耀さん？今大丈夫ですか？〉
　〈うん〉
マ〈 ……あの、なんか、ありました？〉
　〈え？〉
マ〈いや、なんか、いつもと違うというか、〉
　〈 ……すげーな、お前〉
マ〈え？ほんとに大丈夫ですか？今から行きましょうか？〉
　〈 ……電話、何の用だよ〉
マ〈あ、そうでした！明日なんですけど、午後からになったのでゆっくりしてください！〉
　〈あーまじで、了解〉
マ〈はい！また連絡します〉
　〈うい〉
マ〈 ……紫耀さん？〉
　〈ん？〉
マ〈なんかあったら相談乗りますからね〉
　〈 ……サンキュー、〉

たった一瞬で俺の変化に気づいてくれんだね。
すげーじゃん、マネージャー。

画面を閉じて、階段を登り部屋に入る。
テレビ台の上に置いてある写真立てには俺とAと慎太郎が映ってる。
もう戻れない。あの頃の３人にはもう戻れないんだよ。

ごめんな、慎太郎。
俺もあいつのこと好きなんだよ、ずっとずっと前から。

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