想いはどこへ向かうのか ページ48
アサヒside
落とし込むしかなかった。
どうにかして。
単純に事実として情報として…落とし込むだけ。
ホンマはあの日…
それっぽい声聞こえてたって…別に目で見て確認したわけやないし。
嘘やったらええな…
俺の勘違いであって欲しいとずっと思っとった。
Aが大切なんは勿論やけど…
ジェヒョクが大切なんもホンマや。
幸せでいてくれたらその方が嬉しいと思うくらいには大切なメンバーで…友達や。
でも…嘘であって欲しかった。
それが正直なとこ。
実際、あのあとからAやジェヒョクが俺を交えた3人で話してても、お互いのことを一緒にいて辛いとか気まずいとか…
そういった様子が見えたことはなかった。
普段やってジェヒョクがAのベッドに入り込んで一緒に寝てる光景も見とるし…
二人でふざけ合っとるとこも見てきとる。
そん時の二人はあまりにも普通で…だから余計に付き合うてたんやと思うた。
付き合うてたら
まあ…あんなこともあってもおかしく無い。
でも付き合うてなかった。
身体だけの関係やったってこと。
あの日だけやったのか…もっと前にも何回も……
考えるだけアホやけど。
ホンマに自分に呆れるけど…
俺、思うてるより傷ついとるみたいや。
事実を言葉で聞いてもうて少し後悔した。
話してほしいと思うてた筈やのに…
こんなにモヤモヤするなら聞かんかったら良かった。
頭と心がぐちゃぐちゃでチグハグや。
許すも何も俺にそんな資格ないって思うてんのに…
ジェヒョクに対してカッコつけて何でもないみたいな顔して聞いたくせに。
二人の事実に何で「くそっ！」って思うてしもてんの？
そんな自分も嫌で…
でもどうにかすることもできんくて…
駄々を捏ねる子供みたいな気分や。
しばらく…Aの顔は見たくない。
こんな感情であいつの顔見たら心にもないこと口走ってしまいそうで…
傷つけてしまいそうや。
聞かんかったことにも、知らんかったことにもできそうにない。
A『ハルト、ホントに大丈夫だからw』
hr『でも俺がお腹擦ったら眠れるやろ〜？』
A『だからさっきは元々眠かっただけだってば』
廊下を歩くAとハルトの声が聞こえる。
俺はとっさにベッドに潜り、掛け布団を頭から被って寝た振りをしてやり過ごすことにした。
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作者名：tumetume | 作成日時：2022年6月11日 11時
