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貴女side
コツコツと靴を鳴らし、階段を降りて、バーのドアを開ける。
そこには、黒いモヤが1人。
貴｢あら、今日も早いのね。おはよう。黒霧。｣
黒霧｢えぇ。おはようございます。Aさん、死柄木弔。｣
彼は黒霧。ワープと言う希少個性の持ち主で、数年前から私達の仲間になった。
そんな彼は、私と一緒に家事を担当する事が多い。
その証拠にカウンターには、出来たての朝食。
毎朝作ってくれている黒霧には感謝している。
席に座り、ゆっくりと、味わって食べる。
すると、それまで黙っていた弔が口を開いた。
死柄木｢見たかコレ？教師だってさ…｣
弔の手には、｢オールマイト、雄英の教師に｣と大きく書かれた新聞。
死柄木｢なァ、どうなると思う？平和の象徴が………敵に殺されたら。｣
弔の表情は心做しか、笑っている様に見える。
貴｢ﾌﾌｯ、また面白い事を言い出すわね。新しいゲーム？｣
死柄木｢あぁ、雄英に侵入してオールマイトを殺す。あ、ついでに子供も殺すか？｣
貴｢なら、オールマイトが担当する授業を知らなくちゃね。そうね…明日にしましょ。
多分、マスコミが来るだろうから、その中に紛れて騒ぎを起こしているうちに、教員室に忍び込んで教師用カリキュラムを盗めばいいわ。どう？｣
死柄木｢流石A。それで行こう。楽しみだなァ。｣
サラッと私の意見を採用し、｢楽しみだ｣と呟く弔は20歳とは思えない幼さが滲み出ている。
過去の1件もあって、幼児的万能感が抜けきらない“子ども大人”。
それが吉と出るか凶と出るか……楽しみね。
そんな事を頭の隅で考えつつも、作戦をたてた。
1:弔がマスコミに紛れて何らかの騒ぎを起こす。
2:すぐさまその場から去り、黒霧のワープで一気に教員室に。そして、教師用カリキュラムを頂く。
簡単な方法の為、私は此処で待機となった。
貴｢さてと、なら私はチンピラ達を集めて来るとするわ。｣
死柄木｢あぁ、頼んだぜ。｣
そう言って、バーを後にした。
まぁ、それなりの下準備は今でも出来てる。
弔が最近チンピラ達を集めてたから多分、今回の作戦の為ね。
なら、汎用性の高い個性を持つ奴が良いわ。
なんて、笑みを浮かべながら暗い暗い路地裏に入っていった。
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作者名：月下誠 | 作成日時：2019年12月8日 18時
