...Sweetie

39* ページ39

・

中務さんの後を追って撮影場所を後にした


廊下は人通りが多くなっていた








staff「すみません機材通りまーす。」









スタッフさんのその声は、目の前の中務さんに追いつくために必死で届いていなく、


やっと追いついて名前を呼ぼうとした時









『なかつk.. staff「あっ！危ないっ！」









スタッフさんの持っていた2本の脚立のうちの1つが私の方に倒れてきた









『...っ！』









当たると思った時。


ふわっと誰かに抱きしめられた




知っているこの匂い。

まさかと思って上を見上げると









『な、中務さん、？』


「ちゃんと見とけやあほ、...」









片腕で脚立を抑えて、もうひとつの腕で私を抱き寄せていた



持っていたスタッフさんはものすごい勢いで謝ってくるけど、

抱き寄せられたままの腕に意識がいって、頭に入ってこない









「怪我しとらんの、？」


『してない、ですけど、、中務さんの腕は、！？』


「ちょっとアザになったくらいやし大丈夫やろ」


『っ、ごめんなさいっ、、』









パフォーマーとして体に傷が付くなんてあってはならないこと。

なんてことをしてしまったんだろうか









『ダンスに支障でたら、！』


「こんぐらい大丈夫やって」


『でもっ、！』









「おまえに怪我ないだけええねん俺は。」

「戻るんやろ。」









私の手をそのまま握って廊下を歩いた


手と手が繋がってるって言うのに、


頭の中は真っ白で、罪悪感でいっぱい。








・



・








楽屋に入る前に離された手が寂しく感じてしまう





『ほんとにすみません、私の不注意で』


「謝らんで。」


『...はい、』




これ以上謝るとキレるって言われたから渋々黙ることにした。、




でもその後も私の心は沈んだままだった。









・







・







・


GENEの皆さんも何があったのかは知ってたらしく、

'気にしないで'

とか


'大丈夫だよ'


とか暖かい言葉をくれた。




帰る用意をしてると、あれから一言も話せていなかった中務さんが









「...これから暇？」


『あ、、はい、。』


「ちょっと付き合って。」









言われるがまま一緒に現場を後にして無言のまま向かった先は、







『事務所、？』


「そ。お前俺がダンス踊れんのか心配してんのやろ。だから目の前で見せたるわ」








そのまま事務所内のスタジオに向かった

40*→←38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す