中原家の思春期【中原中也】

咖哩飯 ページ17

＿＿＿次の日



鏡花ちゃんにはああやって息巻いたものの…どうすればいいんだろうか。


こういう悩み事は大体乱歩さんに助けてもらってたもんなぁ…自分の興味のあることしか動いてくれないけど。



「…ちゃん、Aちゃん、聞いてる？」




「…あ、ごめん。何？」





「何じゃないよ！今日調理実習だから役割分け決めてるんでしょ？」





「ご、ごめん！」




今日は三、四時間目に調理実習がある。作るのは咖哩飯だ。…小さい頃太宰さんがよく友達の話しながら作ってくれたっけ。まあ溶岩入れたみたいに辛くて食べられる物じゃなかったからお父さんが食べてたけど。



「Aちゃんは何やりたい？」






「んー…私味見係がいい。」





「働け！」




＿＿＿＿




結局私は具材を切り、炒める、アクを取る係になった。
…まあ殆ど私がしているわけになるんだが、できないと言われればしょうがない。


うちは県内トップの私立高ということもあり、所謂お坊ちゃんやお嬢様みたいな家庭で育った人が多い。
そこまで裕福な家庭ではないけど、家政婦を雇っている家もちらほら…


うちの班はそういう人が多かった。協力はしてくれるけどね。




「咖哩素を割って入れておいてくれるかな？」





「いいわよ！」




やっとこさ咖哩の完成だ。
…と、その時事件は起こった。

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