中原家の思春期【中原中也】

中也パパ ページ13

中也パパside


「くっくっく…」



現在の時刻は17:30。
今頃Aは本部のエントランスに到着した頃だろう。俺はこの時を待っていた。



最近娘が冷たくなくなった。
恐らく成長過程である反抗期なるものを通り過ぎたのだろう。
然し…だ。俺は少しそれが寂しい。


もう一度でいいから娘のツンデレが見たい！！！
そう思い俺は今朝の弁当に力を入れ、キャラ弁を作った。


恐らく娘は恥ずかしい思いをするだろうが、結果的に俺は娘のツンデレが見れる。


「完璧な計画だ…」



噂をすれば廊下からローファーで地を踏む音が聞こえてきた。



「お父さん。」



扉から入ってきたのは我が愛すべき娘だった。



「ん？なんだ、A。」



俺は浮つく気持ちを抑えながらいつも通りの態度をとり飛んでくる怒号を待った。
しかし、いくら待っても怒鳴り声は聞こえてこない。



「きょ、今日弁当どうだった？」


俺は居ても立っても居られないいられず聞いた。



「あ、そうそう。その事なんだけどね、









.






いつもありがとうね、お父さん。」





「…へ？」



俺は拍子抜けして変な声を出してしまった。




「今日友達が言ってたんだ。このお弁当は彩りもさる事ながら栄養バランスがしっかり考えられた物だって。だから、いつもお弁当のお礼言ってなかったなーって。」


はにかんだようにいう娘を見て、俺はツンデレが見たいなんて思って弁当をあんな風にした自分がとても恥ずかしくなって…




「ごめんなぁぁぁ！！！！！」




「え、ちょ、お父さん？！」


号泣した。


暫く惚けていたAだったが、




「いい加減にして！お父さん、きもい！！」





…結果オーライ、だな！

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