中原家の思春期【中原中也】

計算されたお弁当 ページ12

「た、立花さん？」




「今日は私と食べる約束のはずです。行きますよ。」



そう言い、立花さんは私の腕をぐいぐい引っ張り中庭まで連れて行った。



「えと…」


なんで助けてくれたんだろう？




「…困っていらっしゃったので。」





「え？」






「困った顔をしていらっしゃったので、何か事情があると思って…迷惑でしたか？」




「う、ううん！全然！」



逆にありがとうだよ…



「よかったら一緒にご飯食べない？」





「でも、中原さんは一人で食べたいのでは？」





「違うの、うちお父さんがお弁当作ってくれたんだけど、それがちょーっとユニークっていうかね…」




立花さんの頭の上には？マークが浮かんでいる。




「…見た方が早いかな。」



私はそう言ったお弁当を開けた。



「こ、これは…！！」



立花さんはお弁当を見て目を見開いた。
やっぱそういう反応になるよね、高校生になってもキャラ弁みたいな絵が書いてあったら。
(因みに今日は某教育雑誌の赤いランドセルの妖精が書いてあった)




「凄いです！！！！！！！！！！」





「…は？」





「彩り豊かに、かつ栄養の偏りがないよう完璧に計算されたお弁当です！」




「え、あの…立花さん？」



私が興奮気味の立花さんに声を掛けると、はっとした顔をして顔を赤らめた。



「す、すみません…つい…」





「ううん、ちょっとびっくりしたけど…」






「私、将来の夢が栄養管理士で…それで中原さんのお弁当はとても理想のお弁当だったので…」



お父さんのお弁当ってそんなに凄いものだったのか…



「もう将来の夢とか決まってるんだな！」





「…はい。」




凄いなー。私なんてなんも決まってないよ。




「ね、立花さん！」





「はい？」







「明日もここでお弁当食べようよ！2人で！」






「い、いいですけど…」






初めて会った時はどうなることかと思ったけど、いい友達ができて良かった！

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