風邪 リクエスト! ページ20
「…けほっ。」
「風邪だな。」
海水浴に行った次の日、私は風邪をひいていた。
「なんでこのタイミングで風邪なんか引くんだ手前は。」
恐らく、海に行きたくないの一心で冷水を被りまくった所為だとは
口が裂けても言えない。
「たくっ…今日は寝てろ。俺もリビングにいるから。」
「お父さん、仕事は…」
「馬鹿野郎。娘が高熱出してんのにそれを放っておいて仕事に行く親がどこにいるんだよ。」
お父さんは私の頭を軽く小突いた。
「水はここに置いておくから、なんかあったら呼べ。」
「あ…」
私はお父さんの服の端をつかんだ。
「どうした?」
「な、何でもない!」
「そうか。」
そのままお父さんは出て行った
_________
風邪の時は情緒が不安定になるとは本当みたい。
1人の部屋がとても寂しく思える。
「…はぁ。」
私は数時間寝て、少し楽になった体を起こした。
そして部屋のドアを開け、リビングに通じる廊下を歩いた。
「ん?どうした?」
「…別に。」
「……ははーん。寂しくなったんだろう。」
「ち、違うし!そんなのじゃないし!」
「病人が大声出すなよ。手前は小さい頃から風邪をひくと甘えてきてたもんなぁ!」
「五月蝿い!」
「しゃーねぇなぁ。」
そう言ってお父さんは腰を上げた。
「何処行くの?」
「手前の部屋だよ、そっちで仕事する。」
「風邪移っちゃうよ?」
「俺は大丈夫だよ。」
お父さんは私の部屋に来て、床で事務作業を始めた。
「…」
私は大人しくもう一度眠りについた。
「ゆっくり休めよ、A。」
最後に見たのはお父さんが優しく頭を撫でてくれている顔。
____________
「ん…」
あれから何時間経ったんだろう。
もう外はすっかり暗くなっていた。
隣を見るとお父さんが寝ているのが見えた。
「お父さんが風邪ひくじゃん…」
私は近くにあった毛布を掛けた。
「ん…
ミレイ。」
「…え?」
ミレイ?
「ミレイって…誰?」
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名無しのごんべい - 年齢謎。でも、面白いから許す(( (2019年8月31日 23時) (レス) id: aeeb0a5eee (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - みつばちさん» 与謝野さんかっこいいですよね! 姐さまもかっこいいです!(姐さま推し) (2018年9月27日 23時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - ふらんさん» そう!女性キャラかっこ可愛い!与謝野先生とか…笑 (2018年9月26日 21時) (レス) id: 623dcd6ce2 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - ゆいさん» ありがとー!うん、頑張ろう!笑笑 (2018年9月26日 21時) (レス) id: 623dcd6ce2 (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - みつばちさん» ぐへへへ笑 可愛いですよね~!しかもかっこいい! 文ストの女性キャラほんとに好きです!笑 (2018年9月25日 20時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつばち | 作成日時:2018年9月14日 16時