中原家の反抗期【中原中也】一学期！

ビーチボール ページ19

「何故貴様がここにいる…人虎！！」





「それはこっちの台詞だ、芥川！！」






「おや福沢殿。今日は猫をお連れではないのですかな？」






「其方は相変わらず幼女を連れているようだな。森医師。」






「蛞蝓は塩水につけたら縮むんじゃなかったっけ？あ、ごっめーん！それ以上縮めないよね！」






「青鯖野郎…手前なんか海に帰っちまえ！」







「………」





「愛しの鏡花や…また美しくなったのぉ。」




ここに平和主義はないのか。
まさに衝突一秒前みたいな空気なんだけど。
(一組例外)




「ちょっとお父さんやめて！森さん達も！」





「貴君は確か…」






「お久し振りです福沢さん。」






「あれ？Aちゃん？」



探偵社の人たちがだんだん集まってきて、口々に声を掛ける。




「Aちゃんは夏休み？」






「うん！」






「マフィアがこんな総勢で…危険極まりないぞ！全く…」






「まぁまぁ国木田さん。」






「A」



鏡花ちゃんに呼ばれた。
彼女は私が小さい頃一番懐いていたのだ。



「ビーチボール…しよう。」






「うん！」





その後はマフィア、探偵社関係なくビーチボール大会をした。







…最後は、太宰さんに煽られたお父さんがアタックの威力でボールを割って終わった。






「あー、楽しかった！」






「だろ？首領が手前の息抜きのために任務減らして連れてきてくれたんだぜ？」







「え…」






「芥川達も姐さんも、書類を昨日中に全て終わらせたらしい。ま、俺もだけどな！」




みんな、何かと手前を心配してんだよ、とお父さんは言った。





「…ふぅん。」



少し遠くから私たちの名前を呼ぶ声が聞こえる。





「…偶にはこう言うのも悪くないかもね。」




そう言った後のお父さんの顔は、少しだけ綻んでいた。

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