超特急と (ページ8)

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⑥ Re ：３ページ8

5『じゃあ理由はそんなに聞かされてないんだ』

運ばれてきたばかりのいちごパフェのクリームを
銀のスプーンですくいながら、祐基君が言う。

そしてそれを口に含むと、甘ぁ～と目を細めた。

｢…うん｣

5『仕事に集中出来るとかなんとか言ってたよ？』

アイスコーヒーを一口飲んで、私は口を開く。

｢私も言われた、私と仕事との両立が出来ないって。
…私ってそんなに重荷だったかな｣

5『俺の前ではそんなこと無かったけど？
いつも(人1)が(人1)が～って話してたもん』

祐基君が続ける。

5『…ん～………まぁでも、
最近ちょっと調子悪かったかもね』

｢…えっ！？｣

5『調子悪かったっていうか、ぼーっとしてる感じ？
レッスンの時も振り間違えたり、立ち位置忘れたり』

｢…そうだったんだ｣

私はつくづく何も知らなかったみたいだ。

このカフェは隠れ家的なお陰でほぼ人がいない。
たまにだけれど佑亮とも来ていた。

5『でもなぁ～～～～～～…
絶対嫌いになったわけじゃないと思うんだけど～～』

｢はは…｣

乾いた笑いをアイスコーヒーで潤してみても
苦味が襲ってきて、顔をしかめる。

5『ちゃんと佑亮から話聞いとこうか？』

｢…ううん、いいや。
どんな理由でも私が振れたのには変わりないし。
新しく頑張ってみるよ｣

5『そっか』

パフェの最後の一口を口に入れ、
祐基君は優しく笑った。