�� Re：６ ページ11
しばらくぶりの佑亮の家に着いた頃
外は弱く雨が降り始めていた。
チャイムを押す
何の反応も無い
「何、」
そっとドアに手を伸ばして、ドアノブを捻る。
ガチャ
鍵、開いてる
ゆっくりドアを開いて、中に入る。
「……ゆ、佑亮！？」
玄関横の壁に寄りかかり、そのまま動かない彼。
頬のあたりが少し濡れている。
「ねぇ、何してるの、ねぇ…」
身体をゆすると
『ん…もうお腹いっぱい…』
言葉とは裏腹にお腹からは空腹の音。
涎を垂らして気持ちよさそうに眠っていた。
「…意味分かんない………」
.
ぐったりした佑亮をベッドに寝かせ
あるものだけで簡単に夕飯を作っておく。
「…佑亮？私帰るけど」
『ん…』
何度も見たその寝顔。
整った彼の顔はいくらか疲れたようで。
「…もう、呼び出したりなんてしないで」
私が辛くなるだけだから。
グイッ
「え………っ」
立ち上がろうとした瞬間、
力の無かった彼の手が私の手首を掴んで
私を一気に引き寄せる。
「佑亮、寝ぼけて…」
『ない』
「…じゃあ」
『…結婚しよ』
「…何言ってるの……？」
本降りになってきた雨が地面を叩きつける音がする。
痛いくらい強い雨音と、佑亮の体温と鼓動。
響いて、響いて。
『ずっと一緒にいよう』
「…やめて」
『両立なんてどうでもいい
僕は(人1)がいないと駄目みたいだ』
『だからもう、ずっと一緒に
離れることなんて無くていいよ』
「…なんでそんな事言うの？」
「っ、…！！、」
『…本気だよ』
「…私がどんな気持ちだったか分かるの…？」
『…』
「忘れたくて、ちゃんと次に進みたくて
…私はもう戻れない」
涙がこぼれないように、小さな声で話す。
一語も聞き逃さないように、耳を傾けるのは
私が大好きだった、あなたの癖だね。
『…僕は戻りたい、ううん、また最初から始めたい』
「…帰る」
その時、彼が起き上がり、私の身体を抱き寄せる。
「いや…っ！」
『…好きだよ………っ』
何でそんなに苦しそうなの？
私が苦しいよ、やめて
今にも泣きそうなその瞳が閉じられ、
唇を重ねた。
「…っ」
『……僕、もうあきらめない』
「…？」
『好きにさせるから』
雨音なんて、忘れた。
ただその目を私は見つめ続けていた。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←�� Re： ５
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もも | 作成日時：2017年6月26日 23時
