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とりあえず目の前にいる彼が俺の上から避けてくれたのでよっこいしょ、と起き上がる。
…さて訳を説明するわけにもいかない俺。
説明したところで目の前の彼らに変な目で見られるだろう。
《実は俺、君たちの知ってる東門Aじゃないよ❤》と言ったところで信じてもらうどころか、頭大丈夫か、と思われかねない。
でもそう説明するしか今のところ打開策がない。
じゃないと目の前の彼は納得してくれない気がする。
そもそも何故俺がネズコ?を斬ろうとしたのか推測しようにも、俺とのキャラが違いすぎて無理だ。
絶対解釈違いが起こる。それは一番してはいけない。
「__さて、君は誰かな」
一番聴きたかったことを尋ねると、彼はポカンと口を開けて俺を見やった。
「って、いやいや!!?さっきまで知り合いみたいな会話してませんでしたァ!?!?」
「うるさいよ金髪」
誰も知り合いだなんて言ってない。痣のある少年が一方的に話しかけてきただけである。
それなのに知り合いと断定するとは……いや、向こうが知ってるから知り合いか。
「っ俺は竈門 炭治郎…」
「改めて、俺は東門 A。階級は丙」
丙…と驚いたようにオウム返しをする炭治郎。なんだもっと階級下だと思ったのか?失礼な奴だな。
いや、過去の俺の話を聞いていたらこんな階級上とは思わんわな。失礼すぎるだろ、俺。
「もしかして…」
__Aさんに兄弟は居ますか。
何を思ったのかそう尋ねてきた彼に今度は俺が口を開ける番だった。何を思った。
…だが少し考えれば分かること。以前とはまるで違う人格の、同じ見た目の人間が現れればそう聴きたくもなる。
でも俺は俺なんですわ…。兄弟は知ってる限り
「…いない」
そう伝えるとじゃあ、と彼は矢継ぎ早に捲し立てる。
「あの時何故禰豆子を斬ろうとしたんですか!!
そして何故冨岡さんの名前を聞いて刀を収めたんですか!」
知らねえ、と言いそうになり言葉を飲み込んだ。
本当に知らないのだが、それを言って彼が納得するとは思えない。
だから俺は
「__実のところ、お前のことは記憶にない」
「そもそも俺は本当に東門Aなのか」
「……嗚呼、分からない。俺は何故ここに居る」
「教えてくれ、俺は誰だ」
【
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琴律(プロフ) - とても面白かったです!イメログの方も見させて頂きました!とっても上手ですね!!無理しない程度に更新頑張って下さい! (2020年3月10日 9時) (レス) id: b4e402c9aa (このIDを非表示/違反報告)
25253 - 面白かったです!これからも頑張ってください (2020年3月10日 9時) (レス) id: a847137800 (このIDを非表示/違反報告)
そらるな(プロフ) - 楽しかったです。更新待ってます。 (2020年3月8日 0時) (レス) id: 4a84e506c1 (このIDを非表示/違反報告)
そらるな(プロフ) - 楽しかったです。更新待ってます。 (2020年3月8日 0時) (レス) id: 4a84e506c1 (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@岩動(プロフ) - 海谷2128:Δさん» コメント、励ましの言葉ありがとうございます!趣味でもありますのでちまちま更新して参りますので、気長にお待ち下さい!これからも頑張ります! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 1d5638e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐峅@岩動 | 作成日時:2020年2月25日 20時