子供扱い禁止！【木村良平】

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「緊張してるんだよね。大丈夫、きっとうまくいくよ」

貴方「でも…」


「手出して」







優しく微笑む彼に不思議に思いながら恐る恐る手を差し出すとペンを取り出して私の小指に星のマークを描いた









「はい！何でも上手くいくおまじない！」


貴方「おまじない…」


「うん！これでもう大丈夫！絶対成功するよ！」


貴方「ほんと…？」


「本当だよ、だから頑張ろう？」


貴方「…うん…頑張る…っ」








まだ小さくてよくわかっていなかった私はそのおまじないが本当に叶うものだと思っていた


実際、その後の公演はさっきまであれだけ緊張していたのに不思議と心が軽くて何よりも凄く楽しかった









母「お疲れA！頑張ったね！」


貴方「うん！あの…さっきのお兄さんは？」


母「あそこにいるよ。お兄さん同じ事務所の先輩で今日は見学に来てたみたいだよ。もう1回お礼言っておいで」


貴方「うん！」








母が指さす方向にさっきのお兄さんがいて駆け寄ると私に気づいてまたしゃがんでくれた









貴方「お兄さんのおかげでうまくいったよ…ありがとう！」


良平「どういたしまして！かっこよかったよ」


貴方「…！」









私の頭に手を置いて笑ったお兄さんを見て恋に落ちる音がした
5歳だから恋なんて知らないって？
そんな事はない。はっきりとわかる。
これが恋なんだと









「じゃあまたね」


貴方「ま、まって！」


「ん？」


貴方「お名前…教えて下さい」


「木村良平です」







私の質問に笑顔で答えるお兄さん
そしてボーッと見つめている私を置いて去ろうとしているお兄さんの手を咄嗟に掴んだ







良平「どうした？」


貴方「け…」


良平「け？」


貴方「け、結婚してください！！！！」









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