雪恋。

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白鳥さんの耳に、
ゆらゆら揺れるピアス。

そのゴールドの輪っかが、
あんまり重そうで、
耳たぶが落っこちそうとか、
変なこと、考えちゃってて。


「なあ、Aちゃん、聞いてる？」


神山くんの質問、無視する形になってた。


「え？あ、ごめん。
何だった？」


「契約から正社員になる試験の話。
受けてみいひん、て聞いてん。
それより、白鳥さん、そんな気になる？」


「・・・気になるっていうか。
白鳥さんて、女優さんみたいだなあって・・・」


「そやな。
高嶺の花って感じで、
俺は近寄りがたいわ。
誤解されやすそう。
損もしてるんちゃうかな」


「そうなのかな・・・」


濱田先輩なんて、
さっきから、鼻の下伸ばして、
世話焼きまくり。

重岡だって、まあ、悪い気はしてないはず。


「やっぱ、性格が合う子が一番やん？
それに見た目も、
俺は綺麗で派手な人より、
可愛い子の方が好みやし」


「そうなんだ・・・」


「ごめん。
俺の好みなんか、どうでもええよな」


「そんなことないよ。
さっきの話、正社員登用の・・・
麻衣子は受けるって。
私は自信なくて。
普段大した仕事任せてもらってるわけでもないし。
みんなみたいにバリバリ出来る気もしないし」


「そうなん？
俺で良かったら、協力するで？
ダメで元々、チャレンジしてみたらええのに」


神山くんはいつも前向きでポジティブだ。


「ありがと。
正社員なら、今よりは、
ちょっとだけマシな部屋に住めるかなあ」


「正社員はちゃんと借り上げマンションの制度あるし。待遇も全然ちゃうからさ。
頑張ってみる価値あるって」


「・・・やってみよっかな。
神山くんの言う通り、ダメで元々だもんね」


「ああ、その意気や。
試験勉強するなら、
俺も付き合うわ。
俺も社内昇級試験受けるねん」


「そうなんだ。
みんな一緒なら頑張れるかも」

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