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次の日、幸せな夢のせいで寝坊してしまって、
慌てて支度して会社に向かう。
「珍しくギリギリじゃん」
「ちょっと寝坊した」
「昨日休みだったし夜更かしでもした?」
「ううん、してない」
「じゃあ疲れてんだね、無理すんなよ」
この時点で、あれちょっと変だな、
とは思ってた。
それが確信に変わるのは終業時間を過ぎてから。
「ジン?平野となんかあったの?」
「いや、別に」
「明らかに変じゃん」
仲良くなってたはずのふたりが全く会話をしないどころか目すら合わせないようにしていて、
なんかあったってことくらいすぐわかった。
「Aも、あんま紫耀に関わんなよ」
「いいやつだって言ってたじゃん」
「それ、俺の勘違い」
基本的に人当たりがよくて優しいジンがこんなに言うんだから、
まあ、なんかそれなりのことがふたりの間であったんだろう。
別に元から平野のことは好きじゃないし、
1ヶ月すればいなくなるし、
まあ、問題ないかって、
気にするのをやめた。
「A、今日二人で飲みにいこうよ」
「ん、いいよ」
珍しくアキから2人でって誘われて、
断る理由もないし、飲みに行くことにした。
いつもよく行く居酒屋に入って、ふたりともお酒を頼む。
「ジンと平野めっちゃ気持ち悪い距離感になってるじゃん?」
「そうだね」
「喧嘩したんだって」
「喧嘩?」
アキの話を要約すると、
平野は遊び人で、部門は違うけどうちの会社でも既に何人か手を出してて。
それをジンが問い詰めたら、
全く悪い事だと思ってなかったらしく。
私狙いって平野が言ったから、
ジンはブチ切れたらしい。アホか。
「てか女関係ならジン人のこと言えないじゃん」
「まあ、そうだけど。Aに手出そうとしてんのはムカついたんじゃない?」
「私が相手にしてないことくらいジンならわかってるでしょ」
「まあ、平野モテるし!平野が手出した女の子たち、みんな自分から抱いてくれって頼んだって噂よ」
「全然そんなこと知らなかった」
とりあえず、元から低い平野の印象が、
もっと下がって、
ただそれだけ。
私には関係ないと思っていた。
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時