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家に帰ってしばらくすると、
平野紫耀からラインがいっぱい来てて、
その通知の量を見てちょっと引いた。
「え、誰?ピコンピコンうるさいよ?!」
「あー、なんか、うるさいね」
「見せろ!!」
携帯を覗き込まれる。
男じゃん!!って飛び跳ねてびっくりして怒ってるから、
この人は私に彼氏を作らせたいのか作らせたくないのかよくわかんない。
「てかスタ爆とか中学生かよ.....」
「ブロックしとこ」
ブロックして、通知がピタリとおさまったところで、
優太が真剣な顔をする。
「あのね、今日管理人から聞いたんだけどね、」
「なに?」
「もうA、運命の人と接触してるって!」
「え、ほんとに?」
「そう!顔ももう1回見せてもらったし明日からはまたAに貼りつくわ!」
「身に覚えないけど」
それは、嘘だけど。
あいつが運命の人だったらどうしよう、
すっごくやだって、
そんな失礼な心配を頭の中でくりひろげて、
でも最近接触した男あいつだけだもんって一気にテンションが下がる。
「なんとか俺がいる間に見つけられそう!」
「っていうか、優太いつまでいてくれるの?」
「そうだなあ、5日とかじゃない?」
「5日?!」
「そうだよ、多分そんくらい」
「早いよ!!待ってやだ!!」
「別に俺見えなくなるだけでお前の側にはいるから心配すんな?」
それでも、やだもん。
見えないし聞こえなかったら、わかんないもん。
悲しくなって、思わず目から涙がこぼれ落ちる。
「うわ、わ!泣くなよ!俺が泣かせてるみたいじゃんか!」
「......優太が、泣かせた」
「ええっ!ちょ、ごめん!まじごめん!泣き止んで?!」
「......いなくなっちゃやだ.....」
子供みたいで情けないけど、
涙は全然止まってくれなくて。
ああ、優太が生きてたら絶対困った顔してギュッてして、頭撫でてくれたのにな、なんて
またそんなことばっかり考えてしまう。
「A、まだ、一緒にいるじゃん、泣くなよ」
「......」
「なぁ、俺を安心させてよ。強くなって?」
「.....安心したら、天国いくの?」
「たぶんね」
優太離れするって、もう1回決意して、
その日は寝室に入らせなかった。
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時