初恋の君が知っている２-*探偵チームKZ事件ノート*-

9-A　サヤカ・ルミ ページ13

・ 羚亜 side



　サヤカ・ルミ。


　日本の現在(ｲﾏ)を駈ける人気作家だ。



　顔を見たことはないけど…


　もしかして、いらっしゃるの!?



　「こんにちは。」



　シャープな輪郭。


　薄い桜色の唇。


　細くて長い脚。



　スタイル抜群のその人は…

　どこかで、見たことがある気がした。



　「ところで、街でスカウトされた美人は？」
　

　「こちらですよ。…美郷依織さんです。」



　その人は急に、私の目の前に来た。



　「…可愛い！佳音のイメージそのもの！」



　流石、ここのスタッフですね、と、
　微笑みを絶やさないサヤカ・ルミさん。



　チラリと、彼女を盗み見る。



　バチッ。



　音がしそうなくらいに目があった。



　で、その瞬間に思い出した。





　「…和乃？」



　そう、和典のいとこ！



　「正解。

　流石、天才は違うね。

　まあ、よろしく！そして、頑張って！


　美野羚亜 改め 美郷依織ちゃん。」



　「ありがとうございます、

　佳月和乃 改め サヤカ・ルミさん。」



　2人で笑う。



　意外や意外。


　まさかこんな身近に人気作家がいたなんて。



　世の中って、狭いのね。



・

10-A　撮影開始→←8-A　IT会社の社長息子

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