【本編】我ら祖国の為に！！

第7話　軍医アリベル ページ8

「はい、これで終わり」

いつも通り訓練で怪我をした兵士達を手当てしているとインカムに通信が入った
それはゾビィーからで会議室に来いとだけ言われ切られた
嫌な予感しかしないが通信を受け取った後
ため息を付き他の子たちに医務室を任せ会議室へと向かった

会議室に向かう途中で頭を回す
なんで会議室に呼ばれたのか、という疑問は浮かんですぐ消えた

そういえばハクロさん、外交行ってたな

それだけで疑問は解消される
どうせ相手国がこっちをバカにしたとかそんなんだろう
それじゃあ十中八九戦争の準備とかの会議で間違いない
戦争とか言っても包帯とか薬品とか色々準備するもんあるのに簡単に吹っ掛けないでほしい
まあ俺も外交官だったら宣戦布告してるけどさ

会議室に着き、いつもの席に座ると面倒事を起こした張本人が来ていない事に気付いた
はぁ、と二度目のため息を付き周りを見渡す
当たり前のように怪我を放っておく奴や
自分では気がついていないであろう隈をつけている奴がいて苛立ちを覚える

なんでこいつ等は医務室に来ないんだよ
なんの為の医務室か分かってんのか
後で引きずってでも連れてってやる

頭の中で文句を言っているとヘラっとした様子で
ハクロさんが入ってきた

「いやー、すまん」

なんでこの人ヘラヘラしてんだ
そう思いながらハクロさんを見ていると違和感を覚えた
なんだ？、と思い観察していると動きが不自然な事に気付く

この人、怪我してんな

そう咄嗟に気付いたのは長い間軍医として皆を診てきたからだろう
ハクロさんは普段通りの行動をしてるつもりだろうが軍医の目はごまかせない

全員まとめて戦争前に医務室に強制連行してやる
そう頭で決めながら三度目のため息をついた

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