ただ温もりに触れたいだけ。

🗝 ページ9

緑side



初めて行く商店街。
大毅くんが言ってたように田舎町の商店街だけど、人はまぁまぁおるし賑わってた。


(｢重岡さんっ！うちの買ってってよ！！｣)

(｢おう、大毅！久しぶりやなっ！！｣)


大毅くんはみんな顔見知りらしくにこにこして返事をしていた


赤｢ごめんな、今日は買い物いくねん。

神ちゃんはよいこ！バスに遅れるっ！｣


まさかのバスに乗れる事にわくわくしながら
走っていく背中を追いかける。


商店街を抜けてタクシーに乗る。

しばらくすると小さなバスターミナルのような所が見えてきた

赤｢ちょっと待ってて、｣

お金を払ってくれて、タクシーを降りる
まだ少し距離のあるバス停まで走って
時刻を確認しに行ってくれた。

しかもトップスピードで。

さっき全力ダッシュしてたのに笑



大毅くんって面白い人やな



昨日までは絶望のどん底やったのに、今日はこんなに笑えるなんて。

俺も追いかけるようにして走る。


赤｢ほんまごめん、、｣



大毅くんの所まで行くとまさかの平謝り、、

話を聞けば今日は目当てのバス運行してなかったんやって。


赤｢だからしばらくは色々俺の使ってくれへん…？
ほんっとにごめん！｣


緑｢いや、俺は全然……大毅くんのお借りします…
良ければやけど…｣


赤｢俺は全然ええんやけどっ！！……｣


ほんまは嫌がってない…かな……
怖いんやけど、、


話変えなきゃ…



緑｢そういえば、会わせたい人って、、｣


赤｢んー……今日はええかな〜｣


諦めてまたタクシー乗り場へ
隣を歩いてた大毅くんの言葉が後味悪く区切れた。


緑｢どうしたん…ですか？｣

赤｢いやぁ…神ちゃんのを買う代わりに会おう思ってたんやけど｣



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