ロトビリック・ワールド【名前変換ｵﾘｼﾞﾅﾙ】 (ページ2)

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2話ページ2

｢うんっまぁー！｣

カレナは満面の笑みでAの作ったシチューを頬張る。

｢えへ、そ、そう...かな？｣

余りのカレナの激しい表現に、Aは苦笑する。

｢そうだよ！もうこのシチューさ、お店に出せそうだよ！｣

すっごく美味しいもん！とカレナは言うが、Aは、

｢嬉しいなぁ｣

と言って、また苦笑していた。

｢ごちそうさま。｣

｢...ん～、ごちそうさまぁ！｣

Aとカレナは食器を片付ける。

家の中でも光は一切なく、恐らくライト・スティアと“フィア・スティア”に居る者は何も見えないだろう。

だが、ダーク・スティアに居る者は普通に見えている。

フィア・スティアとは、普通の国...朝も昼も夜も来る、ライト・スティアとダーク・スティアの間の国だ。

｢ねえねえ、お姉ちゃん！お散歩しようよ！｣

カレナはニッコリと笑い言う。

｢そうだね...、でも、走ったりしちゃダメだよ？お腹痛くなっちゃうから。｣

Aやカレナには両親は居ない。

母、テイラス・グリダーンは、不治の病に倒れてから4ヶ月で死亡。

父、ソラデム・グリダーンはそのショックで1ヶ月ももたなかった。

それはダーク・スティアに来てから話だ。

｢...カレナは、お父さんとお母さんのこと、覚えてる？｣

｢ん？んーん、わかんない。覚えてないの...。ごめんね、お姉ちゃん。｣

｢ううん、いいの。覚えてないほうが良かったから...｣

｢何か言った？｣

｢...ふふっ、内緒。お散歩、行こうか。｣

｢うん！｣

ぎゅうっとAとカレナは手をつなぐ。

そして、明るくなることのない、暗い夜道を歩いた。

☆☆☆
次から過去編です。
A4歳、カレナ1歳という設定です。