psycho [TOP4] (ページ30)

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当たんねえ。

さっきからどれだけ鎌を振っても、殴りかかっても、蹴りを入れてもこいつは何もない顔で避けてくる。

それにまたイラついて、でも掠りもしなくてこいつは何でもないような顔で立ってる。

「なんで当たんねえんだよ！」

「何でと、言われましても…」

困った顔をするから、余計に腹が立つ。

汗だくの俺と、涼しい顔をして立つ女。

そんな俺の肩に手を置いて諦めろといううっしーはしてやったりという顔で見てきた。

「…うっせ。」

鎌を放り投げて地下室の扉を乱暴に閉める。

途中で冷蔵庫からコーラを取って部屋に駆け込んだ。

それを喉に流し込んで何とか自分を落ち着かせようと目を閉じて深呼吸した。

あの女、なんであんなに動けんだよ。

俺に殺されときゃこんな思いせずに済んだのによ。

あの女も、あの女にあいつを重ねてる俺も。

「…うぜーんだよ。」

この屋敷は結構森の奥にあるし、辿り着くのは難しいはず。

なのにあの日玄関に倒れていた女は足も血だらけで服もボロボロ。

一般教養も備わってない。

だけど家事の腕は一流で、動物かってくらい五感が鋭い。

仕事に着いて来たときは何のためらいもなく銃の引き金を引いてた。

謎に包まれたあの女の、どこがいいのか知らないがうっしーも面倒を見てる。

それもまた、気に食わないのだ。