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九話:綺麗な空の下で ページ11

『......ふわぁ。』

ウトウトと微睡みながら、Aは外で星を見ていた。

歓迎会は無事終わり、みんな寝静まっていた。

マレウス「A、どうかしたのか?」

『んー、まぁ、ちょっと。マレウスは?』

マレウス「寝つけなくてな。」

『そっか。』

マレウス「...何をみている?」

何も無いところを見つめるAに、マレウスは疑問を持つ。

『.....そうだね、人間の負の感情が具現化したもの、とでも言おうかな。』

マレウス「感情が具現化...?」

『うん。呪いは分かるよね。二年生で習うやつ。呪いってのは、人の思いでもあるんだ。

羨ましい、妬ましい、嫌い、そんな負の感情はいつの間にか具現化して、人々を襲う。

それが、呪い。具現化したのを呪霊。』

二年生の最後に受けた、おまけのような授業。そこでは、呪いについて話をされた。

呪い。この世界では、魔法ではない何かを使い、対象を不幸にさせることを指す。

もちろん、その何かは分かっていない。かつて、呪いは大災を起こし、それ以来使われることは無かった。

呪いと言う存在は、この世界ではおとぎ話だった。

マレウス「....それが、ここにいると?」

それは、呪いを知っている人(?)にとって、にわか信じ難い話だった。

『うん。負の感情ってのは誰でも感じるからね。嫌だ、めんどう、とかそういうのも。

まぁ、人間としての当たり前の感情だから。だからこそ、それを祓う人間が必要なんだよ。』

マレウス「Aは、それを祓うのか?」

『うん。私は、この世界で唯一呪いを祓える呪術師だからね。呪いは、呪いでしか祓えない。』

マレウス「そうか。」

『....気持ち悪いとかない?』

マレウス「.......?なにがだ?」

『私は、呪いを扱うんだよ?』

マレウス「あぁ、確かにそれが全くの赤の他人なら警戒はする。ただ、Aなのだろう?Aは呪いを扱えたとしても悪用はしないし、絶対に人を傷つけたりしない。三年間、見てきたのだから何も怖くない。」

『!ありがと.....』

笑いかけたマレウスに、Aは少し涙の滲んだ目で返す。

マレウス「人というのは不思議な生き物だな。」

『そうだねぇ。欲にまみれていると思えば、人を助けてみたり。どんな生き物かわかんないや。』

マレウス「あぁ。」

『呪術師から呪いは生まれない。だけど、非術師からは生まれる。昔は、よくわかんなくなったんだよ。仲間が、非術師を殺してたりしたし。だけど、今なら迷わないからさ。』

十話:ストーカー?→←八話:ぶりっ子という名の変態()



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- 見てらっしゃるかわかりませんが続き待ってます!!とても好きです! (2022年12月15日 20時) (レス) @page35 id: 5add37374b (このIDを非表示/違反報告)
蜃気楼 - 続き待ってます!!!!!! (2021年12月10日 0時) (レス) @page35 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
テル - 夢主かっけええ! (2020年12月15日 6時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 流石呪術師。 (2020年12月14日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - リリアを見下すという行為に走るとは思えません。作者様がそれらをわかった上で書いていらっしゃるのなら何も言えませんが、もしそれを知らないのであれば文章を直していただきたいです。長文失礼致しました。 (2020年11月10日 0時) (レス) id: 79a78e1cf2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花陽 | 作成日時:2020年10月24日 23時

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