占いツクール
検索窓
今日:21 hit、昨日:30 hit、合計:9,575 hit

浮かれ気味 ページ14

二人が注文した物が届いた頃には、人も賑わい始めていた
このお店は人気店らしく、昼頃になればもっと忙しなくなるだろう

『この時間だと腹減るなー』

「結構早めに朝飯食うのが習慣付いてるもんな。冷めないうちに食うか」

「『いただきます』」

二人同時に手を合わせて、号令
この二人にとってそれは普通なのだが、他者から見れば微笑ましい光景だったはずだ

『ん、おいしい!』

一口食べて、哀葉は頬を緩ませる
その言葉にこのお店をチョイスした虎石は安堵し、自分も頼んだ料理に手をつける
二人ともパンケーキを頼み、流石に朝から甘い系統は気が引けて、哀葉はポーチドエッグとオランディソースの乗ったもの、虎石はカリカリのベーコンとチーズとバターが乗ったものを頼んだ
飲み物は二人してコーヒーである

「お、うまい」

『ここのパンケーキいいな。すげーふわふわで、しつこくないし』

「哀葉」

『なに……っんぐ』

パンケーキに喜んでいる哀葉の名を呼び、こちらを振り向いたタイミングで切り分けていた物を口に入れる
いわゆるアーンをされた彼女は、少し時間が経ってから状況を理解したらしく、ぶわわっと頬を染める

「うまい?」

『お、いしい、けどっ…!ここ、店内でっ』

「いいだろ別に。周り気にしないでイチャつけんの久しぶりだし、浮かれてんの」

ほお杖をつきながら、優しい顔で哀葉を見つめる虎石に、彼女はもう何も言えなかった

「つーわけで、俺にもちょーだい?」

『自分で取って食べてくださいー』

「冷えなぁ」

照れ隠しであることが分かっている彼は余裕の表情
彼女はいっぱいいっぱいだった

(未だに恋人っていう距離感に慣れねえのに…でも、そっか…ここに知り合いは居ないんだもんな)

だから彼はこんなにも浮かれているのだ
寮で二人きりでも、いつ誰が訪ねてくるか分からない。油断できるかと言えばそうでもないし、哀葉もいつまでも女でいられない
けれど、今日は違う

なら、彼女も

『……和泉』

小さく、本当に小さく。彼の名前を、地声で発する
あまり使う機会がなくなってしまった、通るソプラノの声。それで名を紡ぐのは、少し照れ臭かった

(じ、自分の声なのに、とてつもない違和感…!!)

でも、やっぱり素の自分で呼びたくて、息を吸う

『……い』
「ふざけんじゃねえぞ!!」

彼女の声は突然の怒号で掻き消された

トラブル→←カフェにて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
202人がお気に入り
設定キーワード:スタミュ , 虎石和泉 , クロスオーバー   
作品ジャンル:ラブコメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春月 | 作成日時:2018年1月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。