オーディション ページ4
「哀葉ー」
『やっほ虎石少年』
柊と話を終えた後、哀葉はオーディション会場へ行く
会場につくとすぐに虎石が駆け寄ってきた
教室にいる間に二人は大分打ち解けていた
「お前、俺の次らしいぜ」
『おう。了解』
ふーっと息を吐いて、集中力を高めるために目を閉じる
胸に手を当て、心の中で呟いた
(本気を出すのは今年が最初で最後。どうせなら脅かせ、奴らを。会場を喰らい付くせ)
目を開ける。その瞳には確かな熱が灯っていた
『やってやろうじゃねえか』
首をバキリと鳴らす。先程とは違う空気に虎石は少なからず驚いていた
そしてオーディションが始まる
まずは歌唱力。虎石が終わり、哀葉の番となる
虎石の声を聞いた哀葉は
(悪くねぇ。これならスター枠入りは確実だな)
そう思ってフッと笑った
「次」
『…ーーー』
彼女が歌えば、審査をしていた柊は笑った
やはり哀葉には実力があると
完璧にもほど近いその声に、その場にいた生徒たちは息を飲んだ
そして確信する。哀葉も敵であると
次に舞踊。言うなれば連続ターン
自分の順番待ちの際、赤髪の和服の男が自信満々に威張っていた
それを見ていた審査員は彼の名前の場所に赤線を引く
(天花寺 翔…あの歌舞伎の彼か。残念だねぇ、スター枠から外れてしまうよ)
哀葉は呆れたような顔で、天花寺を見ていた
勿論、哀葉はなんなくターンをこなしていた
次は台詞。あらかじめもらった台詞の紙にそって演じる
哀葉は虎石と同じペア。もう一人は申渡という男だった
『…なんで女役…』
哀葉はげんなりとする
一応男装してる身だ。やりやすい役をもらえばそりゃそうなる
だが他二人は、男なのに女をやるのが嫌だと言う風に聞こえたみたいだった
「ドンマイ哀葉。せいぜい頑張って可愛い俺の妹役を演じろよ?」
「そうやって挑発するものじゃありませんよ」
だが、始まればそんなことは気にならない
「………じゃあな、妹殿」
『あぁ、お兄様…!』
「いけません!あの方はもう家族ではないのですよ!」
『どうして、お兄様っ…!私は…!』
哀葉は完璧に兄に恋い焦がれる妹を演じる
流れる涙は、本物ではないというのに本当に泣いているように見えるのだ
「はい、結構です」
『うす。ありがとうございましたー』
止めの言葉が入ると哀葉はケロリと泣き止んだ
『目がいてぇ…泣きすぎたな』
涙を拭いながらそう言った
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ディー＆ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (
レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい！！ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ４の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー！ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2015年11月6日 0時
