帰り道 ページ12
休憩時間となり、哀葉はぐったりとしていた
1時間に及ぶ演技とこの物語の最後のせいである
結局姫は自決をしてしまったのだ
『マジでクライマックス納得いかねえ…こんだけやっといてアレはねえな』
姫は五人の貴族から求婚されたことによって、家柄や後継者に世継ぎ、そして女性の嫉妬という様々なストレスから自害をしてしまったのだ
演じている彼女にも疲労感が生まれてしまうわけである
『ああいう感じの終わり方が一番嫌いだな』
「それは俺も同意だ」
「僕も」
虎石と卯川は頷いた
男装をしていながらも、女性を演じるという高度な技術が必要だった今回の劇
柊も中々の策士だ
「じゃあ黒崎なら誰を選ぶ?」
辰己は好奇心で問う
『ん?あー…そうだな…サルちゃんが演じた武芸に秀でた貴族かな』
「え、意外。黒崎くんなら虎石くん選ぶと思った」
『いやいや、姫の立場を考えてだよ。やっぱり守って欲しいものだろ?』
「では貴方なら誰を選びますか?」
申渡もさらに問いかける
休憩時間中は少し長めに取られている。柊が少し出てくるとのことでだ
『俺に聞くのかよ。まあ、正統派貴族だけどさ』
「え、虎石くんじゃ『その根拠は?あとそれ二回目』だって、自由人じゃん。二人とも」
「おい、心外だな」
本日も卯川の毒舌ぶりは健全である
しばらくして、柊が戻って来て練習は再開する
といってもちょっとした反省会みたいなもので初日の練習は幕を閉じた
「哀葉、今日の晩飯は?」
皆で寮に帰る際、虎石はお腹をさすりながら言う
練習でお腹がいい具合に空いているのだろう
『今日は昨日作れなかったハンバーグだな。後はコーンスープに温野菜にでもしようか』
「じゃ、俺も手伝うとするか」
『それはありがたい』
すっかり哀葉の作る料理が気に入った虎石は、嬉しそうだ
彼女が聞いたところによると、母親はあまり料理があまりできなかったとかで、良く幼馴染の家でご飯を食べていたそうだ
「寮の夕飯ではないのですか?」
『あぁ、元々俺の部屋は食堂にする予定だったところだからキッチンがあってな。寮の食事代浮かす為に自炊』
「へぇ…虎石が気に入ってるところを見ると相当美味しいんだね」
辰己は興味深そうに微笑む
すると哀葉は何かを思い出したかの様に言った
『じゃあ、今日は親睦会兼ねて俺の部屋で飯食うか?』
「それいい!賛成〜☆」
「うん、俺もいいと思うな」
「そうですね。丁度やりたかったですから親睦会」
満場一致である
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ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい!!ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ4の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー!ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2015年11月6日 0時