外伝集 (ページ6)

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【アル戦】出会い-ナルサス編Ⅲ- ページ6

そんなナルサスにさすがの両親も呆れたようだ
だが、突然来た客にもしっかりと対応しているあたりさすが領主という所だろうか

「ごめんなさいね。ナルサスは主人に似てたまに強引だから」

『奥さんも苦労しますね』

ナルサスの母親はこそりとルナに耳打ちをした
そして彼女はナルサスの父に一礼して改めて自己紹介をした

『夜分遅くに申し訳ありません。私はフゼスターン地方のミスラ神殿にて仕えておりました舞巫女のルナと申します』

「ほうフゼスターンから…何処かに向かう途中だったのか?」

『はい。王都へ、万騎長ヴァフリーズ殿の元へと』

その名前にナルサスはぴくりと反応した

「ヴァフリーズ老に?」

『えぇ。私の師匠からのツテでヴァフリーズ殿にお世話になろうと』

ルナは守りたいものがある
それを守れるだけの強さを求めて、フゼスターンにいた武の師に武芸を教わっていた
舞巫女であったルナだが、それよりも武芸を磨くほうが性にあっていた
元々才能があったのだろう。飲み込みは早く、パルス兵と互角以上に戦えるまでに成長していた
師はそれを見て王都行きを進めた。良い師匠がそこにいると

「なにか理由があるのだろうが、詮索はせん。長旅でお腹が空いただろう?食事は用意してある」

領主はそう言って食事処へルナを案内した
豪勢な料理にさすがのルナもお腹が小さく鳴る
奥方はそれを聞き逃さずに微笑んだ

「今日は沢山作ったから、遠慮せずにどうぞ」

『ご自分で料理を…?』

「えぇ。だって手料理を食べて貰って喜んでもらいたいもの」

奥方は幸せそうに笑った
貴族に近い身分であるのに飾らない様子にルナは少し心を許した

『!美味しい』

ふにゃりとルナは笑う。ナルサスはそれを見て、純粋に可愛いと感じていた
自分の前では警戒心たっぷりな顔をしていたから尚更だろう

(やたら腕が立つから興味で連れて来たが、もっとこいつを知りたいと思うのは何故だろう)

ともかくヴァフリーズに用があるのならばダリューンにも会うことだろう。良きライバルになるといいな
ナルサスは食事を頬張りながらそう思った

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ナルサスの両親完全に自己流です
彼はほんのちょっとの興味でルナに関わることになるんですよね
そこから恋には発展しないんですけど、まあ可愛い妹ぐらいで
ここからはちょくちょくナルサスやダリューンとの昔の話を書いていきます
後は彼女の過去も。本編ではちょっとしか触れないと思うので