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世間話とともに廊下を歩き研究室にたどり着くと、エーミールがドアノブに手をかけ開いた。
ガチャリ。
｢どうぞお入りください｣
｢失礼します｣
一言断ってから中に入る。研究室の中は書類や書物、出土品やそのレプリカなどで溢れかえっていた。机や椅子などのスペースはどうにか確保されているが、それ以外の所に物がひしめいている。汚くはないが乱雑、という印象であった。
｢気になるものがあったら好きに見てください。僕はコーヒーの準備をしますので｣
｢えっ、いや、悪いですよ。そこまでされなくても…｣
｢まあまあ、自分の分のついでですから。遠慮しないでください｣
彼がそう言って準備を始めたので、私は彼に言われた通り、 部屋の中を見て回ることにした。土器、銅鐸、勾玉などなど…、祭事に使われていたような物から、日用品まで雑多にある。そして、ちょいちょいだが。
(…うーん、訳アリの品もありそうなんだよなぁ…)
いくつか怪しい雰囲気を醸し出しているものもある。グルッペンやオスマン達であればより詳しく分かるのだろうが私では分からない。呪具や術具の類いだろうか…。何にせよ、触らないのが一番だろう。
と、そこで。部屋を一望しようと周囲をぐるりと見渡し…。私は一瞬体を固くした。…が、咄嗟に意識して自然な動作を繋いだ。
(これは、ヤバいかもだなぁ…)
｢Aさん、何か気になるものがありましたか？｣
｢そうですね…教授、ここにある物はご自身で集められたんですか？｣
｢その中のいくつかは。鑑定を依頼されたり、持ち込まれたものが大半ですね｣
なるほど。
なるほど、なるほど…。私は口では当たり障りのない会話をエーミールとしつつ、内心焦っていた。
(…いやいやいやいや、教授！…『居る』んですけどぉ！？)
何故、突然焦燥しだしたか。理由は単純である。なんと研究室の隅から『人ならざるもの』が、爛々と目を輝かせてこちらを伺っていたのだった。
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鶏太郎(プロフ) - 猫の手さん» 猫の手さん、コメントありがとうございます！気づくのが遅くなってしまいました(汗)動画ネタや伏線、小ネタを詰め込むのを生きがいにしているので、それに気づいてもらえてとても嬉しいです！今後も更新頑張りますね！ (2020年8月31日 0時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 所々で話が繋がっているところが、読んでいてとても面白いです!!次の話も読んできますね!!更新頑張ってください! (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 今回初めて最初から読ませていただきました。 妖怪ものの小説がすごく好きでこの小説を見つけたとき凄く読みたいという気持ちにかられましたね…() 読んでるうちに、shaの時のお話ってもしかしてknの時と話が繋がっているのでは…?と考えたりして (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - まみむさん» まみむさん、コメントありがとうございます！自分が読みたいものを書いている節しかないので、そう言って貰えて本当にありがたいです…！笑今後もゆっくりと書いていきますね！ (2020年7月14日 23時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - いつも楽しませてもらっています。鶏太郎さんのペースで続きも楽しみに待ってます。面白い作品をありがとうございます (2020年7月12日 22時) (レス) id: 143523a762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月5日 14時
