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男、と述べたが、三階の窓から覗き込む人間など窓掃除をしに来た清掃業者位のものである。もちろん、彼は清掃業者などでは無い。彼は妖怪だった。
シカトをすべきか一瞬迷ったが、その妖怪は依頼があってここに来たのだと言った。見たところ会話も成立するし、アブナいタイプでは無さそうだと判断し、Aは彼を招き入れる為に窓を開け応接室に通した。
｢いや、驚かすつもりはなかってん！ホンマに悪いことしたわ、ゴメンな！｣
彼がそう言ってにぃと笑った。フードを深く被っているため、表情が分かりづらい。淡い緑色のツナギ姿であり、傭兵のような印象をAは感じた。
｢早速ですが、本日はどのようなご要件で…？｣
｢せや！いやな、妖怪の頼みも聞いてくれる相談所があるって聞いて、俺ここまで来てん。ここってえらい強い人間がおるんやって？ソイツ今おらんの？｣
彼がキョロキョロしながら聞いてきた。えらい強い人間…、トントンかグルッペンの事だろう。
｢今日はあいにく席を外しております。彼らに御用でしたか？｣
｢うん、勝負してみたいなって｣
｢………。な、るほどぉ…｣
なんとか相槌を返したが。なるほど、そういう要件もあるのか。いや、うーん、…この依頼って引き受けるべきなのか！？普通に考えてダメな気もするが…判断がつかない。
｢なあ、姉ちゃんも視ることはできるんよな。アンタは強かったりせぇへんの？｣
｢残念ながら、私は視ることしか出来ませんので。おそらく瞬殺かと｣
｢うーん、そっか｣
彼が残念そうに言った。良かった、虫けら同然の雑魚には興味を示さないタイプのようだ。とりあえず、私から返事は出来ないとなると一度彼らに相談するしかないだろう。
｢良かったら貴方が来たことを、伝えておきましょうか？私では返事が出来ないので｣
｢…そうやな。うん、頼むわ！｣
彼が少し考える素振りを見せた後、頷いた。良かった、かなり彼は話ができる部類のようだ。私一人の時に来られてどうしようかと思ったが、何とかなりそうだ。
｢んじゃあ、とりあえずまた気が向いたら来るわ。それまでに聞いてみといてな！…あ、もちろん姉ちゃんが強くなって、俺と勝負してくれてもええんやで？｣
｢了承しました。んー…、期待しないで待っててください笑｣
｢ん、またな！｣
そうやって突然の来客はにこやかに微笑むと、再び窓からひらりと身を翻し立ち去ったのだった。
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鶏太郎(プロフ) - 猫の手さん» 猫の手さん、コメントありがとうございます！気づくのが遅くなってしまいました(汗)動画ネタや伏線、小ネタを詰め込むのを生きがいにしているので、それに気づいてもらえてとても嬉しいです！今後も更新頑張りますね！ (2020年8月31日 0時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 所々で話が繋がっているところが、読んでいてとても面白いです!!次の話も読んできますね!!更新頑張ってください! (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 今回初めて最初から読ませていただきました。 妖怪ものの小説がすごく好きでこの小説を見つけたとき凄く読みたいという気持ちにかられましたね…() 読んでるうちに、shaの時のお話ってもしかしてknの時と話が繋がっているのでは…?と考えたりして (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - まみむさん» まみむさん、コメントありがとうございます！自分が読みたいものを書いている節しかないので、そう言って貰えて本当にありがたいです…！笑今後もゆっくりと書いていきますね！ (2020年7月14日 23時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - いつも楽しませてもらっています。鶏太郎さんのペースで続きも楽しみに待ってます。面白い作品をありがとうございます (2020年7月12日 22時) (レス) id: 143523a762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月5日 14時
