花火

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夏休み一週間前。
花火大会のチラシが校内の至る所に張り出されるようになって、今まで以上にお互い告白されるようになった。



「外見で判断するとか、最低だよな。」


『本当に。』


「どうせ花火大会に向けて彼氏彼女が欲しいだけの癖に。」


『これを機にちょっと勇気出してワンチャン付き合えたら........とか思ってんだろうね。気持ち悪っ。』


「お互い頑張ってひと夏乗り切ろうぜ。」


『うん。』



花火大会とクリスマスの季節は地獄だ。
考えてみれば1日1回は誰かに告白されている気がする。
お互いが告白されすぎて放課後にはどちらかの家で愚痴大会。
私には同性の友達はいないし、瑞稀も友達が多い方ではなく、集まるのが自然の流れ。



『あー彼氏欲しい。』



これが私の本音だったりする。
毎日告白されてりゃその中にイケメンがいることもある。
だけどなんかそれって相手に悪い気がしてなかなかOKする気にはなれない。
OKしたらそれは私と瑞稀に告白してくる男と女と同じなってしまう。

私たちはあの一件からそういう女と男が大嫌いなんだから。









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