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「...見すぎ。」
『あぁ、ごめんね。』
いつの間にか彼に見蕩れてしまっていたようで、不審な目をした井上くんに見すぎと怒られてしまった。
彼はやはりいつ見ても端正な顔立ちをしている。
とくんと心臓の音が聞こえた気がした。
締め付けられるような胸の動悸、誰かを自然と目で追ってしまうこの感覚。
私はこの症状の意味をまだ知らずにいた。
どくんどくん。
私の心臓の音、彼には聞こえているのだろうか。
聞こえていたら恥ずかしいな。
なんて思っていたらチャイムの音が響いた。
「明日も、ここ。いい？」
『う、うん。』
私の【退屈】はどんどん薄れていく。
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作者名：悠 稀 。 | 作成日時：2018年9月30日 16時
