55話 ページ5
「光貴って昔から綺麗な顔してたよね」
今でも女子に人気がありそうな顔。
バレンタインに貰ったチョコを
リビングのお菓子かごに入れてくれる。
それを自由にモテない双子で食す。
バレンタインの風物詩。
「うぉっ、びっくりした〜!
ハル、いるならいってくれよ」
兄ちゃんにクッションを投げられる。
「今から、お産なんだ。
助産院行ってくる。
なんか、降りてきたら懐かしいもの見てるから」
「あぁ、いつの間にかあんなに大きくなってたんだって。蒼真。
ずっとずっと俺らの中では赤ちゃんのままだったから。」
「わかる。
まだみんな頭撫でたり、抱きしめたり…。
そろそろ控えないとだよね」
まさかこんなに大きくなってて、
赤ちゃん産むんだって決めた時の顔の
逞しさに驚いた。
自分が妊娠してた時、
自分は少しでも母親らしくあれただろうか。
母親っぽくなかったかもしれない。
まだまだ何か足らないものがあったかもしれない。
だから、サラちゃんを元気に産めなかったのか。
ずっとずっと心の奥に引っかかってる。
「それより、ハル行かなくていいのか。
お産なんだろ?」
「あ、そうだった。行ってきます」
兄ちゃんに気をつけて、と見送られた。
玄関を出ると吸い込まれるような暗さだった。
空には満天の星。
田舎のいい所だと思う、星が綺麗に見えること。
一際ピカピカ輝く星がいた。
俺に「見て」って言ってるように。
あ、今日は
サラちゃんの月命日。
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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます!コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください!これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!楽しみにしています! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱々璃 | 作成日時:2017年11月2日 1時