君の蒼い花。2章=オリジナル=

82話 ページ32

友矢が死ぬ１ヶ月ほど前に書かれた手紙。
最後の名前のあたりはめっちゃ字が震えてた。

こんなに愛のこもった手紙。
ずるい。
兄弟全員、泣いていた。
蒼真も。

封筒に手紙を戻そうと思ったら
少し重いことに気づいた。
逆さにすると青い花のペンダントが出てきた。
可愛いペンダント。
小さな袋に入っている、お土産屋でよく見るような。

袋の裏には紫苑とは違う花の名前が記されていた。
うわお友矢、痛恨のミス。
紫苑じゃないの買ってるぞ〜…。
でも普通はこんなものだよなぁ。男子だもん。

俺は蒼真にペンダントの袋を手渡した。
「…紫苑じゃないじゃん…」
そう言いながら笑った。
心から笑った。

幸せそうな泣き笑いの顔。

亡くなった大好きな人との思い出を
楽しかったって思い出せた瞬間だった。

「俺にさ、見つからないように
急いで買ったんだろうね」

その姿ををみんなで思い浮かべて
笑った。
あのイケメンが、恋人から隠れながら
ペンダントを買う様子。
ぬいぐるみを吟味する様子。

なんて愛らしいんだろうか。

「…あぁ、俺って愛されてんだなぁ」

蒼真はペンダントを胸にし優しく抱きながら
ゆっくりと涙を流した。

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