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62話 ページ12

外に出ると若干まだ肌寒い。
梅雨入りだからだろうか。
捲っていた袖を伸ばしながら外へ出る。

まだ少しだけ明るい空に
一番星が光る。

俺は慣れた足取りで庭にある
ベンチに腰をかけた。

隣にそびえ立つ桜の木。
今は葉桜だ。
この木の根元には、サラちゃんが眠っている。
2年たった今でも
俺はサラちゃんに手を合わせることが出来ない。

「晴生」
前を見ると、門から男の人が歩いてくるの見えた。
長身に整った顔。
右耳の小さなピアス。

慶太だった。

よっと言いながら右手をあげる。
昔から変わらない。
俺は何も言わずに、慶太の真似をして
右手を少しだけあげた。

仕事終わりなんだろう。
スーツにネクタイをぴしっと締めた
俺の知らない慶太だ。
社会人2年目か。

慶太は桜の木の根元に小さなパックのジュースと
一輪のカーネーションを置いた。
旬だって薦められて、とか笑いながら
カーネーションを指先で少し触って
手を合わせた。

祈り終わったあと、俺の隣に座った。
「お通夜以来かな、久しぶりって感じしない」
「そうだね。
でも、あの時大変だったから話してないし」
「そっか。…友矢、残念だったな」

友矢のお通夜に会った。
慶太と友矢は母親同士が高校の同級生で
昔はよく遊ぶ仲だったらしい。

俺たちは大切な人をよく失くす。

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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます!コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください!これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!楽しみにしています! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱々璃 | 作成日時:2017年11月2日 1時

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