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23話 ページ23

「こんにちは〜」
助産院の引き戸を開けると、優しいうどんの出汁の匂いがした。
今日は誠司くんがうどん打つとか言ってたっけ?

「蒼真、段差あるよ。気をつけて」

「ん、」
今は、蒼真に肩を貸して
反対側の脇の下から抱き上げてる感じ。
自分で歩く、って言ったくせにほとんど歩けてない。
ほとんど体重を預けられていて、
だけど正直、信用されてることが伝わって来て
嬉しかった。

「あ、ハルおはよう!蒼真、運ぶで」
「あ〜助かる。ありがとう」

誠司くんがエプロンのまま玄関まで走ってきて
蒼真をお姫様抱っこしてくれる。

「…あ、誠司くん。ごめんね、重いよね…」
ゆっくりと目を開けた蒼真がポツリと言った。

「全然。軽いで?ちゃんと食べとる?」
「最近、なんだか気持ち悪くて食べれない…」

「そっか、後で亜由美になんか作ってもらおうな」
誠司くんは、多くは問わず蒼真を運んだ。


「蒼真、寝たで。そりゃあもうぐっすりと」

待合室の畳のところで座っていたら
誠司くんが俺の横に座った。
「ありがとう、亜由美さんから____」
「聞いた。後でちゃんと診るけど
なんだかそんな感じがするんよな」

やっぱり_______。


「あーー!もうーー!!」

急に誠司くんが頭を抱えて叫んだ。
そのままちゃぶ台に突っ伏す。

「これは、蒼真が決断することやけど、
まだ、まだ高校生やのに____
なんで子どもなんか!」

「まあ、そうだよね」

俺はさっき湯呑みに入れて来た梅昆布茶を
啜った。
少し冷めてる。

「まあ、俺も学生時代に作ったし」
誠司くんが頭をあげる。

「ほんま、お前ら兄弟は」
そう言って俺の頭をくしゃくしゃ撫でたんだ。

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朱々璃(プロフ) - こはるさん» 閲覧ありがとうございます!体が弱いので少しずつの更新ですがよろしくお願いします! (2017年10月30日 21時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こはる - とても面白いです!最初は少し泣きました (笑) これからのお話も楽しみです!更新頑張ってください! (2017年10月28日 22時) (レス) id: df734a0178 (このIDを非表示/違反報告)
朱々璃(プロフ) - 凛月☆男の娘は国宝!!さん» 閲覧ありがとうございます!勿体無いお言葉嬉しいです。これから兄弟一人一人の話も進んでくるので、永らくよろしくお願いします! (2017年10月24日 20時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
凛月☆男の娘は国宝!! - あ゙あ゙ああぁ〜〜!!(´;ω;`) やめろー!これ以上いい話にもっていくな〜!! 涙腺崩壊して涙が止まらないよ〜〜! (訳: 朱々璃さんの作品は素晴らしいです!) (2017年10月21日 19時) (レス) id: 89f15ab5c3 (このIDを非表示/違反報告)
火野スウ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!本当に嬉しいお言葉です!この話に思い入れすぎて、普段の生活でも隣に蒼真が見えちゃうような感じです笑 私自身、晴生同様、体が弱いので更新遅めですがよろしくお願いします!もしよければこれからも感想とかお願いします! (2016年10月10日 12時) (レス) id: 9435c25c3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱々璃 | 作成日時:2016年6月24日 18時

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