君の蒼い花。=オリジナル=

17話 ページ17

がちゃ、と部屋のドアが開く音が聞こえた。

「雨生起きろ〜。って…あ、ハル起きてたんだ」

「おはよう兄ちゃん。雨生が起こしてくれなくて。
今日は仕事行ってくるね」

「ハル、絶対に無理しないでね、ハルが辛そうなの嫌だから」

「最近調子いいから全然大丈夫。今日、できたら蒼ちゃんも外に出そうと思って」

兄ちゃんは驚いた顔で俺を見た。
「蒼真、ここ2、3日戻してない？食べれてるの？あの子」

「だから、連れて行くの。あやめ助産院」

「まさか………え、嘘でしょ？」

兄ちゃんは丸い目をもっと丸くした。
たぶん、意味がわかったんだろう。
口を手で押さえた。

「…蒼、真が？」

「違うよ、早く元気になってほしいだけ。
きっとあの子も分かってるから」

そう、きっと蒼真は気づいてる。
だけど、気づいてない。

今日どんな反応をするんだろうか。
少しでもいい方に転がれば…。

俺もたぶん兄ちゃんも同じことを考えてた。

蒼真をみんなでこれからどう支えていこうか。

変に仲が良すぎるうちの兄弟。
自己犠牲にしてでも支えるとか言い出すのかな。

「じゃあ、ハルよろしくお願いします。」

俺は小さく頷いた。


「雨生、仕事だろ？起きろ」
兄ちゃんが雨生を起こし出したのを見て
俺は光貴を起こそうと光貴の部屋に向かって
足を進めた。

この日から本格的に
兄弟全員による戦いが始まった。

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