第26話 ページ26
「Aさん！俺チーノっていいます！これどうぞ！」
「え、あ、ありがとうございます」
人当たりの良さそうな顔でお茶を差し出してくるチーノから、取りあえずコップを受け取る。
しかし私は知っている。
詐欺師と呼ばれていた彼のその顔には分厚い仮面が何重にも重なっていることを。そして差し出されたコップの中身はお茶ではなくめんつゆだということも。
口に近付けそっと匂いを嗅ぐと案の定めんつゆの匂いがして、したり顔でこちらを見つめるチーノに向かって口を開いた。
「チーノさん、これめんつゆですよね？」
「あれぇ？くふふっ、なんだ、ばれてたんですか」
「まぁ、匂いで」
前世でされた事があるから、とは言える訳も無く、妥当な理由をつけてコップをチーノに返した。
そしてその後犠牲になっていたのは大先生だった。
「そういえば自己紹介がまだだったな…Aさん、名前は知っていると思うが一応。俺はグルッぺンだ。これから、よろしく頼む」
唐突に始まった自己紹介。
これから、の部分に含みが感じられるのは気のせいだろうか……
「ほんま急やなグルさん……トントンいいます、こいつらに迷惑かけられたらすぐに言ってくれてええから」
「Aちゃん、俺はオスマンや。よろしくめう〜」
「あ、どうもショッピっす。よろしくお願いしますAさん」
「よ、よろしくお願いします…」
トントンが自己紹介した事で流れができたのか皆次々と口を開く。
オスマンは前回会った時同様少し探る様な目で見てくるが、この際無視しよう
その後は皆の話を聞いたり聞かれた事に返したりしながら過ごした。時々談笑という名の内ゲバもあったが、日常なのだから仕方ない。
この雰囲気が変わったのはすぐの事だった。
「皆さんは以前から知り合いだったんですか？」
＿＿＿場の空気が一瞬固まった気がした。
不意に私の口から出た疑問は、彼等にとって大分意地の悪い質問だったようだ。
視線を彷徨わせる者や懐かしむ様にこちらを見る者。様々だったが最初に答えたのは眉を下げたトントンだった。
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ちーず(プロフ) - H2Oさん» 報告ありがとうございます！修正しましたが尚間違いがありましたら教えて頂けると幸いです…！ (2021年3月28日 2時) (
レス) id: 33a1b142e6 (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - 更新お疲れ様です。毎度楽しませてもらっております。報告ですが、33話が抜けております。ページ数と話数が合ってないと気づき数えたら見つけました。 (2021年3月27日 23時) (レス) id: 085a912a91 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - すっごく面白いです！これからも応援してます！！ (2021年1月18日 11時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
ネイト(プロフ) - コメント失礼します！この作品にどハマりしてしまい一気に読んでしまいました(笑)！心の底から本当にこの作品に出会えて良かったっと思っております！大好きです！！！頑張ってください！これからも応援させて頂きます！！！ (2021年1月18日 3時) (レス) id: 58c935ec98 (このIDを非表示/違反報告)
あやややや(プロフ) - 最&高ありがとうございます( ﾟーﾟ)崇めます (2021年1月11日 22時) (レス) id: 074f35644b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちーず | 作成日時：2021年1月5日 13時
