2話 ページ3
「これは私の最後のわがままです。
どうかお願いします。」
これ以上ないと言うほどに頭を下げるオールマイト。
慌てて一人の重役らしい役人がマイクを取る。
「落ち着いてくださいオールマイトさん。
我々も彼の処遇については考えあぐねいていたところです。
雄英高校ならば生徒として通うことで監視という拘束感が薄れる。
それに、雄英はこの国でも最高峰の力が集まっている。
他のどんな場所よりも安全でしょう。」
「！！では...」
「ただし、こちらからいくつか条件を出します。
そちらをのんでいただけるなら我々も譲歩しましょう
くれぐれも、よろしくお願いしますよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
終尾Aについて、雄英側に提示された条件は３つ。
１つは【終尾を雄英の学生寮で生活させる事。】
これは、雄英の全寮制を実施した今、当然彼にも寮で生活してもらう予定であったため問題なく受け入れられた。
２つ目は、【A組の生徒のうち誰か一人でも終尾の受け入れに反対する者が居れば、この計画は即棄却すること。】
これ、もかねてからの雄英側の会議で同じようなことが提案されていたため問題ない。
生徒の説得にも力を入れるつもりだった。
そして３つ目。
【終尾Aのヴィランに居た三年間の記憶を消すこと。】
これには誰もが苦渋を呈した。
記憶とはその人が生きてきた証。
人の記憶を消し去る事は本来ならば御法度であり、ヒーローがしていいことではない。
ただし今回はことが事だ。
彼が自分の意思でヴィランとなり、その思想に同調し共に行動を起こしたのはまぎれもない事実であり、これ以外に選択肢はないとも言える。
ひどく心苦しいが、全ての条件を受け入れる事で、雄英への終尾A受け入れは可決された。
すぐに記憶操作に長けた専門家が呼ばれ、終尾Aの記憶に個性をかけた。
彼がヴィランに出会い捕まるまでの丸々三年間の記憶が閉じ込められた。
だたし、この個性は記憶を"消す"のではなく、記憶を"閉じ込める"個性であり完全に彼の中から記憶を消し去ったわけではない。
今まで三年もの記憶の消去をしたこともない彼は、「いつ、どんなきっかけで記憶が戻ってしまうか分からない。」と口にした。
終尾Aについては、今回の事件の関係者と雄英高校側の人間、そしてA組の皆にしか知らされず、表向きは特例の転入生として終尾AはA組に入ることとなった。
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ウタ - 次の展開がどうなるのか楽しみです (2018年7月18日 22時) (
レス) id: 5d727cd1f1 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - めっちゃいい話だと思います！！更新楽しみにしてます！！ (2018年7月16日 8時) (レス) id: 83591e10d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ストーリー展開がとても好みだし、文章が、言葉ひとつひとつが綺麗で好きです。本当に素敵な作品ですね！ (2018年6月24日 21時) (レス) id: bc7a356a9c (このIDを非表示/違反報告)
こパンダ - とてもたのしみにしてます。頑張ってください！ (2018年6月22日 17時) (レス) id: 7360b2bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
甘露蜂蜜(プロフ) - あああこれは夢主くん弔くんのこと思い出してほしいやつです…！こういうめっちゃシリアス系好きなので展開がすごく楽しみです。頑張ってください。 (2018年6月17日 23時) (レス) id: 817d133cd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧 | 作成日時：2017年11月13日 21時
