#2 ページ10
「＿＿＿そういえば、なぜ今回の件にイデア先輩が…？」
そう、捻り出した話題はただの質問で。
言ってから気づいたそれに「やってしまった」と顔を顰めそうになる。
「え、聞いてないカンジ…？
…僕はあ、あの写真加工のアズール氏の友人でメール氏の正体知ってる協力者的な立場というかなんというか。今回は弱みにg…たまたま拙者の得意分野だったというか」
しかしイデア先輩は一瞬唖然としてみせただけで、早口ながらもしっかり答えてくれた。
(なるほど、協力者なのか)
アズール先輩が加工を頼んだ友人の正体というのも、イグニハイドの、しかも寮長ともなれば納得だ。…そんな人の弱みを握ってるって、アズール先輩は一体。
「じゃあさっさと済ませません？き、君みたいな陽キャこんな陰キャといるので苦痛でしょ」
「く…！？全くそうは感じていませんが…確かに長居しては失礼ですね。早速本題に入りましょう」
確かに居心地が悪いとは感じていたけど、苦痛だなんて。
とんでもないと訂正を入れてからイデア先輩の意見に賛同する。
(陽キャとか陰キャとかにもツッコミたかったけどね)
「べ、別に失礼とかじゃ…あーキリないっすわなんでもないデス。そしたら早速ウェスター氏のイメージするメール氏として振る舞えます…？
それベースに考えていきましょ」
「はい、わかりました」
(メールは…“気さくでなんだかんだでノリのいい男子”)
でも少し口が悪くって、悪ガキ感もあって。
(ってイメージはあるけど、振る舞いか…)
今までポーズもマジカメにあげる文章も、ヴィル先輩とアズール先輩達にほとんど考えてもらっていたからピンとこない。
(兄様達も…知っている限りじゃそんな人はいないし
……エースとか、アクス先輩が近いのかな)
「あのーウェ…メール氏？」
「ん゛んっ。な、なんだよイデア先輩……………」
(あ、混ざった)
「……」
「……」
また、沈黙。
口には出していないけど、イデア先輩の顔は「なにそれ」と言いたげだった。
(駄目だ身内だとなんか恥ずかしい…)
でも他に参考にできる人もいないし、自分では想像も上手くできない。
「……」
じっ、とイデア先輩がこちらを伺っている。
自分の部屋の中だというのに相変わらず私のせいで居心地悪そうで、申し訳ない。
(ああ、もう。いい加減腹をくくろう)
(＿＿＿大丈夫。これは私の王女としての体裁を守る為じゃない)
(イデア先輩の為に、私の為に…
自分の意思でやることだ)
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のま(プロフ) - エーメさん» 素敵なコメントをありがとうございます…！そう言っていただけるととても嬉しいです！引き続き頑張って更新させていただきます！ (2021年1月9日 14時) (
レス) id: eb0df26a11 (このIDを非表示/違反報告)
エーメ(プロフ) - はじめまして！この小説すごく面白くて一気読みしてしまいました！これからも応援しています！更新も無理のないよう頑張ってください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: 30ed0185d7 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます…！そう褒めていただいてとても嬉しいです！展開がわかりやすいように、と気をつけている部分も多かったので本当にとても嬉しい…！(語彙力が…)コメントありがとうございます！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説を読みました。文章が繊細で、ストーリー展開が分かりやすかったです。 (2020年9月17日 18時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - マザーグースさん» あわわ、ありがとうございます…！地道に頑張らせていただきます！ (2020年8月12日 12時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年8月4日 13時
