#3 ページ9
(完全に屋根や床の穴を直したわけじゃない…
という事は)
雨があっという間に部屋を濡らしていく。
私は思わず、非日常的なそれに見入ってしまった。
(…っていけない、この調子じゃ一階も酷い事になってしまう)
現に下が何やら騒がしい。
「とりあえず、屋根の穴を塞いで…
濡れたところは乾燥させないと」
あまり直したくなかったけれど、
ここまで影響が出るなら別だ。
(ユウさん、待っててくださいね…今、直します！)
下でお化け騒ぎがあるなんて露知らず、
そう熱く意気込んで私は魔法を使い始めた＿＿＿
「…ふぅ…1日でこんなに魔法を使う日が来るとは」
既に調子に乗って使っていた為、全ての修復を終える頃にはすっかりクタクタになってしまっていた。
ボフっとベッドに腰掛け、ボーッとする…
(っていけない、さっきあれほど浮かれすぎだから気を引き締めようと思ったばっかりなのに)
そして何か忘れているような気がする…
なんだっけな…
「……ちゃん…Aちゃん！」
「……あ、」
ユウさんが下から呼んでいる。
…そうだ下があまりにも騒がしいから、
後で様子見しに行こうと思ってたんだ。
(こんな事も忘れるなんて…大丈夫か、私)
集中していて騒ぎの内容は全くわからないけど、
大方雨漏りの事だろう。
そんな軽い気持ちで下に降りれば、
そこにはなぜか学園長と…
「狸…」
「狸じゃねぇんだゾ！」
入学式で騒ぎを起こした狸の姿があった。
(そういえばコイツ…
ユウさんにやたら絡んでたような…？)
だとしたら要注意人物…モンスターだ。
「なぜ狸がここにいるんですか？」
「ユウさんがこのグリムくんをここに置いて欲しいとおっしゃったので」
「！？」
「放り出されても戻って来てたから、つい…」
…優しすぎる、この子。
「じゃあ入学させるんですか？」
「いえ、闇の鏡に選ばれなかった人…モンスターを入学させるわけにはいきません。ユウさんと一緒に“雑用係”として学園内の滞在許可を出す形です」
「“ユウさんと一緒に”？」
「ただで居候させるわけにはいきませんからね」
「…なるほど」
「勝手にごめんね…」
「いえ、構いませんよ
…ところで、さっきまでの騒ぎは一体…？」
「あ、それは雨漏りが酷かったからバケツを探しに廊下に出たの。そしたらゴーストが…！」
「…そこまで趣があるんですね」
ゴーストって本当に居るんだ…
現実味のない話だけど、
ユウさんの表情を見るに嘘ではないだろう。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
