# ページ16
「隣、いいですか？」
「ん？…あ、あぁ」
＿全く内容の入ってこない教科書と格闘していたら、かけられたその声。
(男にしてはやけに高い)
そう思いながら返事をして声の主を見れば、入学式で派手に魔法を放っていた女子生徒が居た。
「！？」
まさか彼女だとは思わなくて、パクパクと情けなく口を動かす。
背後からはまだ名前も覚えきれていないクラスメイト達からの鋭い視線が突き刺さっていた。
(……ええい、どうにでもなれ)
半ばやけくそになって、ノートを取る。
よくわかんねぇけど取っとけばなんとかなるだろう。
そして会話も最低限に授業をこなす。
(俺は優等生になるんだ…)と念じながら。
そう彼女からなんとか意識を逸らして集中していれば、
「そこ、違いますよ」
「…え、」
そんな指摘が入った。
腰ほどまで綺麗に伸ばされた赤茶の髪を耳にかけ、教科書を指差しながら彼女が解説を始める。
男子校では絶対に見られないだろうと思っていた女子らしい仕草に、ドキッとする。
(…って説明してくれてるんだから、聞かないとな)
「その単語の意味。正しくは＿＿＿」
彼女の説明はわかりやすい、けどよく分からない単語はまだまだある。そんな俺の心を読んだかのように、彼女はまた、丁寧に教科書を使って説明を続けた。
「おぉ…」
「余計なお世話だったらすみません…」
「いや、わかりやすかった
ありがとな」
(初めは全く理解できなかったのに、理解出来てしまった…)
「僕はデュース」と自己紹介をすれば、彼女もそれに習って自己紹介を返す。
「また教えて欲しい」とも言えば、早速ノートの間違いを指摘されてしまった。
(こんなに間違えてたのか！？
それに何でAはその間違えを把握して…
…俺のことを見てたのか？)
「まさかな」と笑いつつもそんな都合のいい解釈をしてみれば、どっどっどっと心臓が早く打ち付ける。
もしかしたら、俺は＿＿＿
「な、なぁ」
「？どうしたんですか、デュースさん」
「次の魔法薬学もまた教えてくれないか？」
「！えぇ、もちろん！」
彼女が頷いたのを見て、ホッと息をつく。
俺達の会話を聞いていたのか、相変わらずクラスメイト達からの視線が痛い。
しかし今の俺はそれに、優越感さえも感じていた。
(この席は俺のだ)
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
