#3 ページ15
…まぁ、意気込むくらいなら誰でもできる。
「…ッフゥ……ッ」
「…ウェスター、無理だったら無理でいいぞ」
「い…え…平気、です」
「わかった！言い方が悪かった！もう止めろ！」
プルプルと腕を震わせながら腕立て伏せをしていれば、僅か7回というところで先生からのストップが入った。
(絶対、20周無理してあんなペースで走ったからだ…)
走ってなければ、なんとか出来たかもしれないのに。
結局無駄に醜態を晒して、体力育成の授業は終わってしまった。
(はぁ…やっぱり男子には敵わなかった)
ズーンと気分が落ち込む。
「A！」
「…デュースさん」
そんな私に、デュースさんの声がかけられた。
(デュースさんは凄かったなぁ…走るの速かった)
(にしてもデュースさん、私とばっかり居るけど大丈夫なのかな…？)
「その、さっきの…」
さっきの、と言うことは体力育成の事だろう。
(もしかして馬鹿にしに来たの？)
デュースさんに限って、と思うが、過去の事もあって否定しきれない。
口を開いたデュースさんが怖くて、思わず目をつぶって身構えた。
「その…凄かった！」
「……へっ？」
「〜〜って、バルガス先生が！！」
「えっ、ちょっ」
言われた言葉の内容を、理解する前にデュースさんは走り去ってしまう。
(まだ走れるんだ…じゃなくて、)
(今、「凄い」って)
私を認めたその発言に、沈んでいた気分が上昇していく。
と同時にデュースさんを疑ってしまった事を酷く後悔する。
(優しいデュースさんの事を疑うなんて…)
(ごめんなさい)
直接謝罪するわけにもいかないので、心の中で謝って、空き教室に向かう。
着替えを終えて、部屋を出ればドアの横にデュースさんが立っていた。
「つ、次の授業も一緒に居ていいか？」
「！」
よく見ると彼の肩は上下していて、走ってここまでやって来たことがうかがえる。
(確か次の授業は錬金術…)
(クルーウェル先生に場所を聞いたのかな？)
「え、えぇ…でも何でここまで？」
「あ、いや、これは…その………」
「？」
尻すぼみになっていって、肝心の内容が聞こえない。
それでも彼が誘ってくれたのが嬉しくて、全く気にならなかった。
「じゃあ、行きましょうか。デュースさん」
「！おう」
そう言えば隣を歩いてくれるデュースさん。
さり気なく歩くペースを合わせてくれていて、それがまた幸せな気持ちにさせてくれた。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
