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置いて行かれた…

初めて来た場所に、私ひとりを残して
帰るなんて…

新婚旅行の時に感じた 孤独感と同じ…

ううん…、
此処には戻ってくることはないのだから
あの時より酷い…






ぎゅっ、と握りしめた拳に
ポタポタと涙の雫が落ちていく。








ふわり、肩が温かみを帯びて
膝の上の結んだ拳から視線を上げると、

肌触りの良さそうなブランケットが
肩に掛けられていた。







「此処の夜は冷えます。
お風邪をひいてしまいますよ、」






ベッドに座る私の前に跪いた 哲也は、
私の足を取り、自分の手のひらに包み込んだ。









「ほら、冷たくなってる…」





哲也の手は 温かくて、
冷たくなった足の指に
彼は『ハァー』っと息を吹きかけた。








「僕が居ます。
ずっと、姫のお傍におります。」









顔を上げた哲也は、
まっすぐに私を見つめる。







キュッ、と唇を噛み締めて
小さく頷いた。








垂れていた足は、ベッドの上へ…
足ごと すっぽりブランケットに包まれて、
まるで、てるてる坊主。







すとん、と隣に腰を下ろした哲也が、

「おいで、」

ブランケットごと、私を引き寄せた。









「………今は、此処には ふたりだけです。

誰の目も気にせず、泣けばいい。
全部、吐き出せばいい。

……僕が、受け止めます。」





背中に回った手に
きゅっ、と力が入る。







じんわりと視界が霞んでいって
浅く繰り返す呼吸に、

『よしよし…』

髪をそっと撫で、胸を貸してくれる哲也。









「………お、おいてかえった、、」


「……ええ、あんまりですよね。」








此処に来ようって言ったのは
剛典さんなのに、、



ふたりで来たのに、
独り残して、さっさと帰っちゃうなんて、、









「お、…女の人から電話…かかってきて、、」


「……………、」







仕事なんて、嘘よ。
こんな時間に 掛けてくるなんて
なんの用事なの?




どうして剛典さん、行っちゃったの?









「あの人だと…おも、、うっ…っく、」


「………だとしたら、酷すぎます。」








私より、大切なの?









「い…行かないでって……っ、いったの、、に…」


「………可哀想に、、」






キュッ、と私の頭を抱えこんだ哲也は、
とても苦しそうに呟いた。









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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , TETSUYA,土田哲也   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年11月19日 22時

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