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「兄貴はさ、、
優し過ぎるところがある。
五十嵐を守るためにも、
憎まれ役を買ってでも
時には厳しく言える人じゃないと、
坊ちゃんを 立派な経営者にはできない」
確かにそうかもしれない。
時には厳しく 坊ちゃんに意見しなければならない時も来るだろう。
「だから、、
兄貴は お嬢様の傍にいて お護りしてあげて」
そう言って、片方の眉だけ下げた健二郎に
長男なのに、坊ちゃんの執事にならないことの後ろめたさと、
その重圧を弟に背負わせてしまうことの申し訳なさで いっぱいになる。
「兄貴が責任感じることないよ。
主人に合った執事がつくのは 当たり前のことなんだから。
坊ちゃんに合うのは、兄貴じゃなく
俺だった、ってだけの話だよ。」
項垂れていた俺の背中に、健二郎の手が触れる。
これじゃどっちが兄貴か分かんないな、、
「逆に俺は女心とか、そういうのよく分かんないし…、お嬢様も兄貴に懐いてる。
お嬢様に相応しいのも 兄貴だった、ってことだよ。」
「すまない、健二郎…」
「だから、兄貴が気にすることないって。」
背中をポンポンと、叩いて
ははっ、と屈託のない笑い顔をみせた、健二郎
「問題は臣だな、、大丈夫かな?
旦那様のお世話が、臣に務まるかな、、」
「………不安しかないよね。
親父がいる間はいいとして、、」
「……稀に見る劣等生だからな、、アイツは。」
臣に坊ちゃんの世話なんか任せたら
大変なことになる!
五十嵐を守るためにも、臣には坊ちゃんを任せられない!
臣には 懐の深ーい しっかりした主人でないと、、
兄弟揃って、深い溜息を吐いた、その夜…、
俺はひとり、旦那様の部屋を訪れた。
自分の気持ちを
旦那様にお伝えするために…
ノックの後、顔を覗かせた俺を
旦那様は不思議そうな顔で招き入れてくれた。
「どうした、直己。
何か用か?」
深く、深呼吸を ひとつした後
「お嬢様にお仕えしたいと思ってます。」
「…………」
「どんなことがあっても、お嬢様をお護りすることをお約束いたします。」
旦那様から目を逸らさずに、
本心を言葉にした。
「てっきりお前は 剛典の執事になるとばかり
思っていたよ。」
「坊ちゃんには、健二郎がつきます。」
「剛典と、健二郎か…
悪くないな。」
手で顎を擦りながら、小さく頷いた旦那様。
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花(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2016年11月19日 22時