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直己の場合 ページ39

坊ちゃんが産まれた瞬間から
この家の跡取りであったように、

俺の未来も 生まれた瞬間から
決まっていた。

いや、産まれる前から、、かな。






執事の家系に産まれ、
幼い頃から執事になるための教育を
受けてきた。


坊ちゃんがお産まれになった時に、
小林家の長男である俺が
いずれ、坊ちゃんに仕えるのだと

周りにも 言いきかされてきたし、
自分でも そうなるんだと疑いもしなかった。






あの日、
お嬢様に出逢うまでは…


















屋敷と、離れは少し距離がある。
とはいえ、同じ敷地内。

庭を横切れば、すぐに着いてしまう距離。




親父に頼まれた物を届けに
屋敷に行った帰り道、

庭の植え込みに、人影を見つけた。

不思議に思って近づくと、
その人影は、小さくなって丸まっている。






パキン、

小枝を踏んずけて鳴ってしまった音で
その人影は、こちらを振り返った。








「どうかなさいましたか?」





この家の、一人娘

大事に大事に育てられた、お姫様。






「……………」





そして、モジモジしている様子を見る限り
どうやら この家のお嬢様は
人見知りで、内気な性格のようだ。









「直己、といいます。」


「………なお、き?」





膝を抱えたまま
お嬢様は 小さな声を発する。








「こんなところで なにをなさってるんですか?」



「…………」





…………。





プイッと顔を逸らし、俯いたその目に
じんわりと涙が溜まっていく。



なにか、あったのだろうか。








「元気がない時は、
これを食べるといいですよ。」


「…………」







御使いの御褒美にと、
親父がくれた ビスケットをポケットから取り出した。


子供じゃあるまいし、こんなもの…
と思っていたが、貰っておいて良かった。







「お嬢様に差し上げます。」





じっとビスケットを 見つめていた少女は
手の中のお菓子を取り、口に放り込む。







「………美味しい、」




甘いものが お好きなんだろうか。
口元がにわかに上がる。






「それは魔法のビスケットなんですよ。」

「魔法?」

「えぇ。お嬢様を 幸せにしてくれるビスケットです。」

「幸せにしてくれるビスケット?」



「そうですよ。
それを食べれば、もう大丈夫。」









「…………たぁくんと、、仲直りできる?」









悩んでいたのは、それだったのか…。
坊ちゃんと、喧嘩をなさったのかな?

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , TETSUYA,土田哲也   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年11月19日 22時

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