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剛典side
そんな
「前に言わなかった?
Aは、俺のだよ。
……お前にはやらない。」
哲也の肩を叩いて
Aのいる庭へと 足を向けた。
大丈夫だから、、哲也。
心配しなくていい。
大事なものは、見えてるから。
渡り廊下から庭を見渡すと、
Aは ひとり、真っ白なブランコに座って
遠くを眺めていた。
とっくに日が暮れた空には、一番星が光り、
冷たい風が 彼女の髪を攫っていく。
「こんな所にいたら、風邪ひくよ。」
庭に降り、ブランコに座った彼女に近づくと
急に声を掛けられて びっくりしたのか、
彼女は肩を小さく跳ねさせた。
「………おかえりなさい、」
「ただいま、A。」
隣に腰を下ろすと、
彼女は少しだけ怪訝そうな表情を見せ 下を向く。
「A、昨日…、ごめんね。
どうしても帰らなくちゃいけなくて、、」
膝に置いた手が、キュッと握られるのが見えた。
「………何があったんですか?」
「……取り引き先でトラブルがあってね
、、放っておけなかったんだ…」
「何があったかは…教えてくれないんですね。」
「………、」
顔を上げた彼女は、
今にも泣きそうな顔で…、、
「ごめんね、、A…
寂しい想いをさせちゃったよね。」
彼女の小さな肩を手繰り寄せた。
頬にあたる髪が冷たくて、
いつから此処に居たんだろう、、
そう思うと、やるせなさが胸を締め付ける。
小さな手が、キュッとスーツの裾を掴むと、
彼女の肩が小さく震え出す。
「…泣かないで、、」
冷たくなった髪に唇を寄せ、
包み込むように抱きしめると、
俺の背中に しがみつくように腕が回り
胸の中の彼女が、口を開いた。
「………ずっと、嫌だったの。……この匂い。
剛典さんが、私を大事に想ってくれてるのは
わかってます。
それでも、、嫌なんです。
ずっと、ずっと不安でした。
抱かれてる時も、不安なんです…。」
………匂い?
「…A?」
「彼女には、もう会わないで!」
…………!!
ギュッと胸に顔を埋めた、彼女。
背中にある手が、僅かに震えてる。
「お願い…、」
消えそうな声が、寒空に舞う。
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花(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2016年11月19日 22時