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「すごいね、外!」





髪の毛をワシワシと拭きながら、
お風呂上がりの彼は 窓の外に目をやる。






ガタピシャ音を立てて、揺れる窓。
ソワソワと落ち着かないのは、
やはり、この嵐のせい。






「なんか、ちょっと恐いなぁ。」






停電になるかも、と
今夜は早々と お夕飯を済ませ、
お風呂にも入った。







「そう?
台風の日ってさ、なんだかワクワクしない?」






少年の様な表情を見せながら
ソファーに座る 私の元にやってきた彼は、
『やって、』といわんばかりに
頭を差し出してくる。

私は、いつものように
優しく水気を拭き取るように 髪をタオルドライ。









「落ち着かなくてハラハラしちゃう。
停電になったら恐いし、、」



「俺がいるから恐くないよ。守ってあげる!」



「ふふっ…、
それ、さっき 楓くんも言ってました。」



「あの歳で もうそんなこと言ってるの?」








笑いながら私を包み込むようにして
額にキスをする、剛典さん。

お風呂上がりの いい香りが
スッ、と鼻を掠めた、その時…









「あっ!」



フッと部屋の電気が消えた。







「停電だ、、」




一切の生活音が消え、
屋敷中が 静寂に包まれる中、

激しく打ち付ける雨の音と、
窓を揺らす風の音だけが響く。



















ボゥっと薄暗く照らし出された、部屋。
テーブルの上には、いくつかのキャンドルが
ゆらゆらと揺れている。








「わぁ、真っ暗…」





窓の外は、当たり前だけど 真っ暗闇で
窓に打ち付ける雨音と風の音が
生活音を無くした部屋には、大きく響く。









「これじゃぁ、なんにも出来ないね。」





近寄ってきた彼が、背後から
キュッと私を包み込む。







「もう、お布団 行くしかなくない?」





キャンドルの火が あまり届かない窓辺では
はっきりと 彼の表情までは
確認出来ないけれど、







「暗闇でも出来ること、
ひとつだけ あるしねー♡」






随分と弾んだ声で、私をベッドに誘い出す彼は、きっと、ワクワクしながら笑顔を見せているに違いない。







「ささっ、早くー♡」


「………、」


「夜は まだ長いしねー♡」








「しりとり、とかですかね…」


「………噛み付いてやろうか?」






こんな不安な嵐の夜は、
人の温もりを感じて 過ごすのも、
そんなに悪くないのかもしれない。

・→←Hurricane.



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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , TETSUYA,土田哲也   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー?読み返してくれたんですね!ありがとうございます(*´▽`*) (2017年9月13日 16時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん!いつの間に更新してたのよー!嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです!あっ!遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年11月19日 22時

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