仲間の意義#4 ページ4
竹下の元へ行く前に、トントン先輩がなるべく穏便に話を進めるコツを教えてくれた。
「まずは、全然関係の無い話をするんや。相手と心の距離を縮めて、そこから本題に入る。そしたら、相手はこの人なら……と思って打ち明けてくれたりする。まあ、うまくいかんこともあるけどな」
1時間前に言われたことだ。まだハッキリと覚えている。それなのに、何故、オスマン先輩は唐突に言ったのだろうか。トントン先輩の教えとは全く違うではないか。
「まあ、黙るのが普通よね。確かに、それは組織にとっては正解。けどな、本当に正解やと思う？」
「……は？」
ここに来て、初めて竹下が声を発した。その表情には、疑問と僅かな焦りが見える。
何故、そんなことを言うのか。何故、“正解”ではない？
「あんた、俺たちと接触する前から色々やってたみたいやなぁ」
「……何が言いたい？」
「いいや、別に。あんたが議員さんになるために犠牲になった子どもたちや、議員になったせいで借金を大量に抱えて生きてる人がいるってことも、何も問い詰めんよ」
今度は私が『は？』と言った。初めて聞いた竹下の情報に、心が騒ぐ。
そんな情報、初めて知った。
笑顔で街頭演説する彼の足元には、たくさんの犠牲者がしかばねとなって積まれていたのか。なんて、下劣で汚い。
「あ、でも自分がめちゃくちゃにした人たちのそのあと、知りたない？」
「……？」
「そうやなぁ、例えば、あんたの元秘書さん。あんたを信じてついていった結果、あんたら組織の借金を大量に抱えてしまった。
知ってんかもしれんけど、その人な、妻子持ちやねん。若くて綺麗な奥さんと、高校生と5歳の娘。あんたらの借金を背負わされて、高校生の娘は働くために高校を中退。奥さんはボロボロになりながら身体を売って、5歳の娘は児童養護施設へ。元秘書さんは借金のせいで精神病を患いながら工場で働いてんで」
目の前の男が、幸せだったひとつの家庭を壊し、のうのうと生きていることにひどく腹が立った。彼らは身を削り、自分のものではない借金のために必死で働いている。
それなのに、それなのに、この男は今部屋にある椅子に座り、しらを切っているだなんて、神様はなんて不公平なんだ。
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はるかっちょ(プロフ) - さわこさん» こんにちは！返信が遅くなってしまい申し訳ありません。ずっと待っていただなんて、本当に嬉しいお言葉です……！ありがとうございます！我々探偵社、まだまだ続く予定ですので、これからもぜひよろしくお願いします！コメントありがとうございました(´∀`) (2017年12月20日 7時) (
レス) id: aebaa9b1f4 (このIDを非表示/違反報告)
さわこ - きたあああ！やった！ずっと待ってました！ありがとうございます！ (2017年12月16日 21時) (レス) id: e1331c41ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるかっちょ | 作成日時：2017年12月13日 23時
