Secret thing 2 ページ22
「兄上、おかえりなさい」
一瞬ちらりとこちらに目を向けたものの、コートをバトラーに押し付け何も言わずに歩いて行ってしまった。
パブリックスクールから休暇の間は戻ってくると連絡があり出迎えてから出かけようと待っていたが、恐らくいつもと変わらず無視を決め込まれるだろうと予感はしていた。
自分と同じ髪の色、同じ目の色。
それなのにどうしてか
私は兄に好かれていなかった。
「お嬢様……」
顔を曇らせるクロアに仕方がないと笑いかけ、バトラーに挨拶をして家の外に出る。
兄が乗ってきたであろう馬車がまだ横付けされていて、ちょうどいいとクロアと共に乗り込んだ。
不規則に揺れる景色を流しながら
一体いつから兄と口をきいていないかを考えていた。
パブリックスクールに入った頃はまだよかった。元々あまり口数の多くない兄であったけれど、学校での話を聞けば少ないながらも答えてくれた。
(あぁ、あの時から)
私が父の書斎で本を隠れて読んでいたのがバレ、夕飯の時に家族の前で訳を聞かれた事件からだ。丁度夏季休暇の暑い日だった。
裁縫よりもよっぽど本を読んでいる方が楽しかった。
詩集よりも、ギリシアの哲学書や天文学書を読むほうが多くて。
【お前はギリシア語どうやって読んでいたんだ。あそこには私でも完訳できない高等書がほとんどだぞ】
【読めないところもあったけれど、大体は分かったわ。勉強すればいいの。なんだってそうでしょう。それに英語に似ているもの。そんなに難しくないわ】
怒鳴られるのだと身構えるばかりで気がつかなかったがその言葉を発した瞬間家族の空気が凍り、肝が冷えたとクロアは食後に眉間に手を当てながら教えてくれた。
それから間もなく兄はパブリックスクールへ戻っていったが次に帰ってきた時、兄は口をきいてくれなくなった。
理解できることは、罪になるのだとこの時悟った
※
パブリックスクール＝寄宿舎。大体は全寮制の学校で、この時代は男子校しかありません。主に、中産階級、上流階級が通っていました。と言っても、貴族なんかは家で教育を受けられたのでそれ以外ということになりますかね。例外もありますが。
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みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» 大丈夫ですよー^^無理やりのキスも萌えますよ！！！(もしかしてハルオミさんと私だけの特別な性癖……)2章楽しみにしてます^^ (2017年1月13日 1時) (
レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです……。いいですよね！！私だけの性癖とかじゃないですよね！？中々惹かれる方いますよね！？って思いながら書いてました。笑二章もお付き合いいただけると嬉しです！ (2017年1月12日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» やっと一章終わりましたね！お疲れ様です^^いや、ですがあのキスもなかなか萌えます笑1人で「超いい……」とかやってましたもん笑笑幸せなキスも楽しみにしてますw (2017年1月7日 19時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» ああああ！！ありがとうございます！！めちゃめちゃうれしいです！！キスまで長かったんですよ……しかも色々誤解を生むような……くそぅはよう幸せなキスしてくれや！と思いながら書いてます。笑今後ともよろしくお願いいたします！ (2017年1月5日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - この話めっちゃ好きです！！頑張ってください！！！！キスまで長かったァ〜〜！！！ (2017年1月5日 22時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハナチル | 作成日時：2016年12月10日 22時
